2005 Fiscal Year Annual Research Report
Nox1遺伝子の発現異常の分子機構と遺伝子改変マウスを用いた病態解析
Project/Area Number |
17390218
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
六反 一仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (50275195)
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Keywords | NADPH oxidase 1 / Nox organizer 1 / 遺伝子改変マウス / 消化管粘膜 / 自然免疫応答 / 炎症 / 発がん / TNF-α |
Research Abstract |
NADPH oxidase1(Nox1)遺伝子はgp91-phoxの新規ホモログとしてクローニングされた。代表者は消化管上皮細胞に発現するNox1を発見し、その生理作用について先駆的な研究を進め、胃及び大腸粘膜上皮細胞に発現するNox1は、管腔内病原菌感染により誘導され、胃及び大腸粘膜固有の自然免疫応答ならびに炎症に伴う発がんに極めて重要な役割を果たす可能性を見いだした。本研究では、Nox1,NOXO1遺伝子の発現制御機構を明らかにするとともに、遺伝子改変動物を用いて消化管におけるNox1の機能の全容解明をめざした。本年度は、Nox1遺伝子のノックアウトマウスとNox2遺伝子のノックアウトマウスのコロニー形成を完了した。大腸上皮細胞(T84細胞)を用いて、NOXO1の基本転写活性とTNF-αによる転写活性化のメカニズムを中心に検討した。T84細胞においてはNox1の誘導レベルよりむしろNOXO1の誘導の程度によりNox1自身の活性が制御されていることをつきとめ、さらに、TNF-αは腸上皮細胞株(T84細胞)のNOXO1を強力に誘導することを見いだした。NOXO1遺伝子の上流4.8kbpをクローニングし、上流フラグメントのルシフェラーゼアッセイにより、T84細胞のNOXO1遺伝子の基本転写活性には、EtsとSP1、特に、SP1が重要であること、TNF-αによる転写活性化にはAP1が重要であることを見いだし、それぞれのシス領域のミュータントを用いて明らかにした。さらに、TNF-αのシグナル伝達経路とAP1の活性化も検討し、TNF-αがc-JUN, c-FOSの活性化とAP1の結合活性を誘導することを証明した。また、Nox1遺伝子の基本転写活性にGATA6及びCDX1/2が重要であることを確認し、ヒト胃がん組織を用いて、Nox1とこれらの小腸特異的転写因子との関連を免疫組織染色により、検討したところ、Nox1とCDXが共発現する傾向を認めた。これらの研究成果の一部は6篇の英文原著として報告した。
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Research Products
(6 results)