2007 Fiscal Year Annual Research Report
Nox1遺伝子の発現異常の分子機構と遺伝子改変マウスを用いた病態解析
Project/Area Number |
17390218
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
六反 一仁 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 准教授 (50275195)
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Keywords | NADPH oxidase 1 / Nox organizer 1 / 遺伝子改変マウス / 消化管粘膜 / 自然免疫応答 / 炎症 / 発がん / TNF-α |
Research Abstract |
代表者は消化管上皮細胞に発現するNADPH oxidase 1(Nox1)の生理機能について先駆的な研究を進めてきた。胃及び大腸粘膜上皮細胞は、管腔内の環境に合わせてToll様受容体(TLR)を使い分け、Nox1依存性の自然免疫応答を惹起することを明らかにしてきた。 平成19年度は、計画に沿って研究を遂行した。まず、Nox1のパートナータンパク質であるNox activator 1(NOXO1)の安定発現細胞を用いて、炎症性サイトカインであるTNF-alphaによる転写の活性化と抗炎症性サイトカインであるIL-10とTGF-betaによる転写の抑制明らかにした。さらに、自然発症腸炎モデルであるIL-10ノックアウトマウスを用いて、Nox1、Nox2、Duox2の発現を詳細に調べると、Nox1とNOXO1が腸炎発症に先立って6週齢から発現が亢進することを確認した。一方、Nox2及びDuox2にはこのような変化は認められなかった。また、ストレスと炎症の関係についてもisolation stressのモデルを用いて検討した。Nox1は直腸でのみストレスにより誘導され、IL-18ノックアウトマウスではこの誘導が認められず、ストレスによるNox1の誘導には、局所のIL-18が関与することを遺伝子改変動物を用いた解析から明らかにすることが出来た。これらの結果については、現在、論文作成中である。さらに、これまで胃には発現しないとされてきたNox1が胃がん細胞では特異的に発現することを初めて報告した。興味深いことに、胃がん細胞にはNox1とともに、NOXO1、NOXA1、p22-phoxなどのパートナータンペク質が全て誘導されることも明らかにし、炎症・活性酸素・発がんの新たな経路を明らかにした。
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Research Products
(6 results)