2005 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎の肝発癌過程における酸化的DNA損傷の網羅的解析
Project/Area Number |
17390220
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20244345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90336389)
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60372819)
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Keywords | C型肝炎 / 酸化的DNA損傷 / 肝発癌 / ゲノム / 8-OH-dG / 網羅的解析 / ChIP assay |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染は、慢性肝炎、肝硬変および肝細胞癌(HCC)を引き起こすが、その発生機序は不明である。臨床的には、C型肝炎からHCCを発生してくる症例は、慢性肝炎期で炎症が高度な例や肝線維化が進行した例が大半であることが報告されている。近年、持続慢性炎症によって惹起される発癌過程には、細胞内で生じた活性酸素(reactive oxygen species ; ROS)による酸化的DNA損傷が関与する可能性が想定されている。我々は、C型慢性肝炎やC型HCCの肝組織中には8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OHdG)が核に蓄積していることを見出してきた。しかしながら、その肝発がん過程にどのような標的遺伝子が損傷・変異を受けるのかは不明である。本研究では、HCV肝疾患患者の生検肝組織から抽出した高分子DNAを用いて、肝炎から肝癌発症の過程に関与する酸化的傷害を受ける標的遺伝子を同定することを試みた。本年度は、まず再現性のある方法論を確立した。肝由来高分子DNAを種々の制限酵素で消化し、8-OHdG抗体により特異的に遺伝子断片を沈降させうるかを検討した結果、XbaIによる消化によって適当な量のDNAが沈降されることを確認した。さらに、沈降したDNA断片をPCRにて増幅した後50kサイズのDNA micro arrayにて同定できる条件を決定した。4例のC型慢性肝炎組織を用いて、検討したところ、患者あたり300-450種類の遺伝子が8-OHdG抗体で沈降され、さらに約100遺伝子がすべての患者に共通して検出された。次年度は、さらに検体数を増やし解析を進める予定である。
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Research Products
(3 results)