2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋の収縮・弛緩制御分子を標的とした新規心不全治療法の開発
Project/Area Number |
17390224
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
|
Keywords | 心不全 / 遺伝子治療 / SERCA2 / ホスホランバン / 遺伝子転写 / RNA干渉法 / レンチウイルスベクター / 心機能 |
Research Abstract |
1)ウイルスベクターを用いたSERCA2遺伝子導入 ラットの冠動脈前下行枝を結さつし、心筋梗塞を作製した。これによる心不全モデルに対して、低体温・心停止下で冠動脈経由によりアデノ随伴ウイルスベクター遺伝子導入を行った。SERCA2遺伝子に対しβ-gal遺伝子を導入したものを対照群とし、6ヶ月間の発現の後に心機能を検討した。その結果、心エコーによる左室駆出分画は、心筋梗塞を作製しないSham手術群が30%のところ、β-gal遺伝子群が10%と低値であるのに対して、SERCA2遺伝子群は16%と有意な改善を認めた。また、左室機能の指標であるLVEDP、+dP/dt、-dP/dt、tau、Emaxもβ-gal遺伝子群に比べ、SERCA2遺伝子群では有意な改善が得られた。さらに、遺伝子導入6ヶ月後までのラットの生存について評価すると、SERCA2遺伝子群では有意な改善が得られ、SERCA2遺伝子導入による心機能の改善は心筋梗塞によってもたらされる心不全の生命予後を改善させることができると判断された。 2)SERCA2遺伝子転写活性亢進を機序とする新規心不全治療薬の開発 SERCA2遺伝子転写活性の亢進を機序とする薬剤を6万種類の化合物からなるライブラリーからスクリーニングした。その結果、SERCA2遺伝子の転写活性を3倍程度に増加させる化合物を発見した。この化合物はSERCA2 mRNAおよびSERCA2蛋白の増加作用も有していた。増加の機序を検討するとPPAR-α、PPAR-δとの結合活性を有すると推測され、核内転写因子に対して作用点を有する薬剤であることが推測された。 3)ホスホランバン干渉RNA導入によるSERCA2遺伝子の機能亢進 ラット培養心筋細胞モデルにおいて、合成二重鎖オリゴヌクレオチドにより、ホスホランバンmRNAを高度に減少させることができたため、in vivoモデルの実験系に移行した。ラットを開胸し、低体温・心停止下でホスホランバンsiRNAを有するBR-14マイクロバブルを経冠動脈的に注入した。この際に、超音波を照射し、心筋への遺伝子導入を試みた。現在、結果を解析中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] HERP1 inhibits myocardin-induced vascular smooth muscle cell differentiation by interfering with SRF binding to CArG box.2005
Author(s)
Doi H, Iso T, Yamazaki M, Akiyama H, Kanai H, Sato H, Kawai-Kowase K, Tanaka T, Maeno T, Okamoto E, Arai M, Kedes L, Kurabayashi M.
-
Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol. 25
Pages: 2328-2334
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
-
[Journal Article] Carvedilol effectively blocks oxidative stress-mediated downregulation of sarcoplasmic reticulum Ca2+-ATPase 2 gene transcription through modification of Sp1 binding.2005
Author(s)
Koitabashi N, Arai M, Tomaru K, Takizawa T, Watanabe A, Niwano K, Yokoyama T, Wuytack F, Periasamy M, Nagai R, Kurabayashi M.
-
Journal Title
Biochem Biophys Res Commun. 328
Pages: 116-124
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
-
[Journal Article] Cardiac sarcoidosis detected by FDG-PET2005
Author(s)
Goto K, Okamoto E, Morita M, Sasamoto T, Endo M, Umezawa K, Suguta M, Kaneko Y, Nakano A, Arai M, Hasegawa A, Kurabayashi M.
-
Journal Title
日本内科学会雑誌 94
Pages: 1396-1398
-
-