2005 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線照射による低侵襲不整脈治療法の開発-心筋梗塞動物モデルを用いた実験研究-
Project/Area Number |
17390236
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田邉 晃久 東海大学, 医学部, 教授 (10119688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 公一郎 東海大学, 医学部, 講師 (30246087)
盛 英三 国立循環器病センター, 心臓生理部, 部長 (90146598)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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Keywords | 重粒子線照射 / 心室頻拍・細動 / 心筋梗塞 / 活動電位光学マッピング / ギャップジャンクション / コネキシン43 |
Research Abstract |
我々は、ウサギ心内膜下心筋梗塞(MI)モデルを用いたこれまでの実験で、左心室を標的とした重粒子線照射(HIR)を行なうと、活動電位光学マッピング実験において梗塞後残存心筋で観察される活動電位再分極の不均一性増大が軽減するとともに、早期刺激による心室頻拍・細動誘発が抑制されることを報告した。本研究では、この抗不整脈作用のメカニズムを解明するための第一段階として、ウサギの左室心筋のギャップ結合に対する重粒子線照射の影響を検討した。ウサギの左側胸部から左心室前・側壁に焦点を合わせて15GyのHIRを行い、2週間後に心臓を摘出して膜電位感受性色素を用いた活動電位光学マッピングを行なった。その後、モノクローナル抗体を用いて免疫染色を行いCx43の発現様式を解析した。光学マッピングで計測した左室表面の伝導速度はcontrolに対するHIR群で軽度(12-27%)低下したが有意ではなかった。一方、MIに対するHIR群では伝導速度は変化しなかった。免疫染色結果では、Control+HIR群ではCx43の発現が全体的に増加し、介在板部分(ID)だけでなく細胞側面(LS)にも多くの分布が認められた。Cx43染色のLS/ID+LSはHIR群の方がコントロール群よりも有意に増大した(0.1±0.05vs.0.3±0.09,n=4)。またMI+HIR群でも同様にCx43の発現が全体的に増加した(MIに対して1.8倍)。重粒子線照射はCx43発現様式を変えることで心室の不整脈発生基質を修飾する可能性がある。
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Research Products
(1 results)