2005 Fiscal Year Annual Research Report
EGF受容体活性型変異と肺胞上皮細胞生理:不死化シグナルの意義と腫瘍形成・転移
Project/Area Number |
17390240
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 拓児 東北大学, 病院・助手 (80344670)
前門戸 任 東北大学, 病院・助手 (40344676)
井上 彰 東北大学, 病院・助手 (70361087)
福原 達朗 東北大学, 病院・医員 (80400365)
西尾 和人 国立ガンセンター, 研究所, 部長 (10208134)
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Keywords | EGF受容体 / 肺腺癌 / 細気管支上皮細胞 / 不死化 / 発癌 / がん遺伝子依存 / 分子標的薬 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
抗腫瘍の新たな創薬である分子標的薬は癌治療の概念を根底から変化させつつある。固形腫瘍では、EGF受容体チロシンリン酸化酵素(EGFR-TK)を対象にし、臨床試験で肺腺癌に有効性が示された阻害剤gefitinib (Iressa)が、最近になり、EGFR-TK活性中心の複数の特異な活性型変異を真の標的にすることが判明した。注目すべき点は(1)本変異は肺腺癌特異的であり、(2)基質親和性を数10倍増強し細胞不死化を帰結する活性型変異であり、(3)体細胞変異であるのに極東アジア人に高頻度である事実である。本研究の目的は肺腺癌特異なEGFR-TK活性型変異が、その発生母地である細気管支上皮細胞の細胞生理特性を背景とする可能性に着目し、発癌モデル初期事象の細胞不死化や、臨床の場で遭遇する多発肺転移での転移生着機構を究明する点にある。 平成17年度はin vivo系における活性型変異EGFRの解析として、nudeマウスを用い、ヒト肺癌細胞株PC9細胞(deleted型EGFR細胞:分担研究者西尾博士より供与)を螢光蛋白VenusやCellTrackerで標識し、nudeマウス頸静脈(10^6 cells/mouse)より静注し、その生着部位を解析した。その結果、肺組織以外には生着をみず、肺組織においては対照にくらべ、静注後3日程度より肺細気管支領域に螢光を多数認めた。一方、in vitroの検討としてヒトEGFR deleted型cDNA、正常型EGFR cDNA(分担研究者西尾博士より供与)をmarkerとなるeGFPとともに発現可能なretrovirusの作成を進め、また細胞内リン酸化シグナル強度解析にChemiDoc XRS(備品として購入)を使用するとともに、PC9、11-18(EGFR L858R型)、A549(RAS変異)各種肺腺癌細胞株での発現microarray情報と併せ検討中である。
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Research Products
(7 results)