2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40271613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 建文 高等教育開発推進センター, 助手 (40375001)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生理学 / 腎循環 |
Research Abstract |
本年度は酸化ストレスに関して二つのテーマに沿って研究を行った。 1.慢性糸球体腎炎モデルの作成と、経過における酸化ストレスマーカーの変化について:慢性糸球体腎炎のモデルとして、Thy1腎炎モデルが使用されているが、Thy1の単回投与では一旦尿蛋白を呈するが、慢性化せず、尿蛋白も組織も殆ど正常までに回復する。そこで最初に、予め一方の腎臓を摘出した上でThy1を投与することにより腎障害が慢性的に進行することを、尿蛋白、腎機能さらには組織学的検討により確認した。腎臓を摘出していない場合はこれまでの報告と一致していた。血圧は両群間に差は無かった。このモデルで尿中の酸化ストレスのマーカーTBARSを経時的に測定すると尿蛋白が再び増加する時期で上昇していた。これからも、様々な治療でどのように変化するかを検討する。 2.メチルグリオキサール(MGO)は糖の非酵素的分解産物であり、糖尿病や腎不全では血中や組織内濃度が上昇している。MGOは最終糖化産物の産生を亢進させることが知られている。そこで、我々は培養内皮細胞でMGOが酸化ストレスを亢進させるかどうかを検討した。新しく開発したスーパーフィユージョンを用い、合成されたROSを経時的に測定した。MGOは糖尿病や腎不全で見られる臨床的な濃度で過酸化水素を産生し、ミトコンドリアの阻害薬剤でその亢進は大幅に抑制された。以上より、MGOは内皮細胞において、ミトコンドリア経路を解して過酸化水素の産生を促進しており、心血管病や腎障害の発症に関与する可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)