2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390253
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 章景 名古屋大学, 大学院医学系研究科, COE特任助教授 (30378012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 元 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20148315)
道勇 学 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90293703)
山本 正彦 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (40378039)
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Keywords | ALS / 運動ニューロン / 遺伝子発現解析 / siRNA / オートファジー |
Research Abstract |
孤発性ALSの病態解明、治療法開発には、病態関連分子の発見を出発点としてその分子の動態を把握し、それを反映するモデルシステムを構築することが重要なストラテジーとなりうる。本研究は、レーザーマイクロダイセクション法による脊髄運動ニューロンの単離とcDNAマイクロアレイ解析を組み合わせることにより、我々が同定した運動ニューロン特異的な発現変化をきたす分子を出発点としている。それに引き続く発現動態の解析を平成17年度に行った結果、孤発性ALSの神経変性過程初期に発現低下を示す分子としてdynactin1を同定した。そこで、平成18年度は、この発現変化を培養細胞に再現することによりALSの疾患モデル作成を試みた。siRNA法によりSH-SY5Y細胞においてdynactin1をノックダウン(KD)し、その影響を各種アッセイによりコントロールと比較検討した。dynactin1-KDにより細胞死が引き起こされることが明らかとなり、その経路としてオートファジーについて検討したところ、autophagosome-lysosomeの癒合障害によるautophagosome形成の促進を認めた。また、ポリユビキチン化蛋白の集積も示唆され、dynactin1 KD細胞ではオートファジーの障害によって、処理しきれない何らかのタンパクが細胞内に蓄積することで神経細胞死が生じているものと考えられた。また、ALS患者脊髄運動ニューロンでもオートファジーの障害を示唆する結果を得ており、この細胞培養モデルは孤発性ALSの重要な病態の少なくとも一部を反映したモデルであると考えられる。さらに我々はCre/loxPシステムによるdynactin1のコンディショナルノックアウトマウス、siRNA法によるdynactin1ノックダウン線虫といった動物モデルの作成にも取り組んでいる。
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Research Products
(6 results)