2005 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド形成機構を元に考案したアミロイドポリニューロパチーの新たな治療法の開発
Project/Area Number |
17390254
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安東 由喜雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20253742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 太郎 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90381003)
谷原 秀信 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
寺崎 久泰 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (50381009)
甲斐 広文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30194658)
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Keywords | FAP / アミロイドーシス / トランスサイレチン / 遺伝子治療 / 抗体治療 / 微量元素 / アミロイド / 肝移植 |
Research Abstract |
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)ATTR V30M(トランスサイレチン(TTR)の30番目のバリンがメチオニンに変異したもの)の肝移植によらない根治治療を確立することを目的として、1.TTRの4量体構造の安定化を図り、アミロイド形成を阻止する治療:Cr^<3+>投与によるアミロイド形成抑制治療、2.アミロイドの伸張反応を抑制し、アミロイド形成を阻害する治療:新たなアミロイド結合物質(trans,trans),-1-bromo-2,5-bis-(3-hydroxycarbonyl-4-hydroxy)styrylbenzene(BSB)の誘導体であるFSBを用いた治療、3.すでに組織に沈着したアミロイドを溶かす治療:異型TTRを抗原とするワクチン治療、4.TTRの産生を完全にシャット・アウトする治療:single stranded oligonucleotides(SSOs)を用いた遺伝子治療、の4つの研究を行った。結果は以下のとおりである。1.Cr^<3+>をFAP Met30の遺伝子を持つトランスジェニックマウスに3ヶ月投与したところ、血中濃度の優位な上昇が得られたが、摂食状態、体重変化、血中トランスアミナーゼ値など有意な変化はなかった。2.BSBの継続投与でも、これらの値に優位な変化は認められなかった。3.抗体治療に関してはFAP患者を免疫する抗原としてATTR F78Pに加えて、TTR115-124の抗体が血中のTTRとは反応せず、組織沈着アミロイドとのみ反応することが新たに明らかになった。4.遺伝子治療ではBNA化したSSOsが肝細胞の培養系で27%の相同組み換えが起こることが確認されたが、in vivoでの効率を上げるため、超音波を肝臓にあて、組み換え効率を上げる方法を検討中である。次年度はさらに研究を進め、根治治療のツールを絞る予定である。
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Research Products
(40 results)