2006 Fiscal Year Annual Research Report
グレリンによる膵内分泌細胞の再生とインスリン産生増強の分子機能の解明
Project/Area Number |
17390269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤水 尚史 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20231813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 浩 京都大学, 医学研究科, 助手 (20378615)
有安 宏之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50378650)
五十子 大雅 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40402870)
寒川 賢治 国立循環器病センター, 研究所, 副所長 (00112417)
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Keywords | グレリン / 糖尿病 / 膵臓β細胞 / インスリン |
Research Abstract |
グレリン(G)の発現は膵臓に比較的多く、G受容体の膵臓での発現も確認されている。従って、Gの膵臓における生理作用が注目されるが、未だ詳細は不明である。そこで我々は、膵β細胞および糖尿病におけるGの病態生理学的意義を解明するために、糖尿病モデル動物を用いて検討した。生後1日のラットにストレプトゾトシン(STZ)を腹腔内投与して新生児糖尿病モデルラットを作成した。尿糖強陽性発現を確認した後、G100μg/kgを一日2回、一週間皮下投与した。コントロール(生食投与)群(C群)、G単独投与群(G群)、STZ単独投与群(STZ群)、STZ+G投与群(STZ+G群)の4群にて比較検討した。Day21とDay70に血糖、血中インスリン濃度、膵臓内インスリンの含量・遺伝子発現・陽性細胞数、Pdx-1の遺伝子発現・陽性細胞数、インスリンとphospho-histone H3(PHH3)の二重免疫染色による膵臓β細胞の増殖評価などを行った。1)Day21:STZ群に比較してSTZ+G群では、膵臓内インスリン遺伝子発現と同陽性細胞数、膵臓内Pdx-1の遺伝子発現と同陽性細胞数、すべてにおいて有意に増加していた。インスリンとPHH3二重免疫染色では、グレリン投与による二重染色陽性細胞の有意な増加を示した。2)Day70:STZ群に比較してSTZ+G群では有意な空腹時血糖の低下を認めた。膵臓内インスリンの遺伝子発現・陽性細胞数、膵臓内Pdx-1遺伝子発現は、STZ群に比較してSTZ+G投与群で有意に増加していた。以上より、Gの膵臓β細胞増殖やインスリン産生に対する増加作用、およびそれらの作用による新生児糖尿病モデルラット発症阻止、の可能性が強く示唆された。さらに、同モデルに対するデスアシルグレリンの投与や他の糖尿病モデルに対するグレリン投与を行い、その影響を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 実験医学2006
Author(s)
赤水 尚史
Total Pages
5
Publisher
羊土社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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