2005 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルによる造血幹細胞制御-ヒトES細胞から造血幹細胞誘導を含む-
Project/Area Number |
17390274
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆浩 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助手) (40345210)
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 研究拠点形成特任研究員(特任助手) (90396721)
伊豆津 宏二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30361471)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
海面骨表面の骨髄造血幹細胞ニッチにおける幹細胞自己複製シグナルについては未だ明らかでない。Notch1及びNotch2両遺伝子を片アレルずつ欠損(N1+/-N2+/-)、あるいは生後に両アレルとも造血幹細胞で欠損するマウス(N1f/fN2f/f・Tie2-Cre)を作成し、Notchシグナルが造血幹細胞自己複製において果たす役割を明らかにすることを目的として研究を行った。N1+/-N2+/-では、化学療法後に造血幹細胞の頻度が減少していた。N1f/fN2f/f・Tie2-Creマウスは作成中である。 一方、ヒトES細胞からの造血幹細胞への分化誘導について研究を進めた。今年度は主に、京都大学で樹立されたヒトES細胞のうち、KhES-3細胞を用いた。まずKhES-3の未分化性を維持しつつ増殖させ、十分な量を凍結保存した。未分化性の維持は、細胞表面抗原SSEA-1,SSEA-3,SSEA-4,TRA-1-60,Oct4の発現パターンで確認した。次に、ディスパーゼを用いてKhES-3細胞コロニーを剥離し、24時間無血清培地中で培養し胚様体(EB)を形成させた。翌日、培地交換を行い幹細胞因子(SCF)、トロンボポエチン(TPO)、Flt3リガンド(FL)、インターロイキン6-インターロイキン6受容体キメラタンパク質(FP6)、骨形成タンパク質4(BMP4)を添加した培地中でEBを培養し中胚葉系への細胞分化を誘導した。10日後あるいは18日後、EBに酵素処理を行って単一細胞化し、フローサイトメーターでCD31,CD144陽性細胞を分取、これをOP9ストローマ細胞株上で培養したところ、血球様細胞が産生された。血球様細胞コロニーの一部は敷石様に増殖したことから、未分化造血細胞が産生されているものと考えられる。今後さらにこれらの細胞の性状を解析する。
|
Research Products
(4 results)