2006 Fiscal Year Annual Research Report
血栓性血小板減少性紫斑病の原因遺伝子ADAMTS13の研究
Project/Area Number |
17390285
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 国立循環器病センター(研究所), 病因部, 部長 (90183970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 繁則 国立循環器病センター(研究所), 病因部, 室長 (00303959)
宮田 茂樹 国立循環器病センター(研究所), 輸血管理部, 医長 (20239411)
小亀 浩市 国立循環器病センター(研究所), 脈管生理部, 室長 (40270730)
坂野 史明 国立循環器病センター(研究所), 脈管生理部, 室員 (00373514)
|
Keywords | 血小板 / フォンビルブランド因子 / 血小板減少症 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / ADAMTS13 / 性差 / 一般住民 / 臨床検査法 |
Research Abstract |
高ずり応力下の血小板血栓形成は、フォンビルブランド因子(VWF)のコラーゲンの結合で開始される。VWFはマルチマー構造をとり、高マルチマーであるほど血小板凝集能が高い。ADAMTS13はVWF切断酵素であり、その欠損症は血中に超高分子VWFマルチマーが蓄積し、血栓性血小板減少性紫斑病を示す。私達は最近、ADAMTS13に特異的な蛍光合成基質の開発に成功した。本法は従来法に比べ迅速かつ簡便で定量性が高い測定法である。本年度は、本法を用いて、地域一般住民3,616名(男性1,687名、女性1,929名)の血中ADAMTS13活性を測定し、性や年齢による変化を検討した。3,616名の平均の活性を100%とすると、男性のADAMTS13活性の平均±SD値は92.9±24.4%であり、最低値38%、median値90%、最大値242%であった。女性のADAMTS13活性の平均±SD値は106.2±27%であり、最低値44%、median値104%、最大値216%であった。女性のADAMTS13活性は有意に男性より高かった(P<0.0001)。この結果から一般住民集団では38%以下の活性を示す人はいないので、病態時にこれより低い活性を示せばADAMTS13活性はその病態の影響を受けていると考えられよう。ADAMTS13活性の年齢(30歳から89歳まで)の影響を調べたところ、男性・女性ともに加齢による活性の低下を認めた(Spearman r=-0.943および-0.829)。ADAMTS13活性は30歳代から50歳代は変わらなかったが、それ以降が加齢とともに低下した。これまで、ADAMTS13活性の測定は数日を必要とし定量性に欠けるものであった。しかし、私達が開発した蛍光合成基質は1時間程度で測定が終了し、定量性のある測定法である。本法を用いて、世界で初めて地域一般住民のADAMTS13活性のデータを収集することができた。本研究で得られたデータはADAMTS13が関与する病態の基盤的データとなり、病態の解明に寄与すると考えた。
|
Research Products
(7 results)
-
-
[Journal Article] Protein S-K196E mutation as a genetic risk factor for deep vein thrombosis in Japanese patients.2006
Author(s)
Kimura R, Honda S, Kawasaki T, Tsuji H, Madoiwa S, Sakata Y, Kojima T, Murata M, Nishigami K, Chiku M, Hayashi T, Kokubo Y, Okayama A, Tomoike H, Ikeda Y, Miyata T
-
Journal Title
Blood 107
Pages: 1737-1738
-
[Journal Article] Genotypes of vitamin K epoxide reductase,gammma-glutamyl carboxylase,and cytochrome P450 2C9 as determinants of daily warfarin dose in Japanese patients.2006
Author(s)
Kimura R, Miyashita K, KokuboY, Akaiwa Y, Otsubo R, Nagatsuka K, Otsuki T, Okayama A, Minematsu K, NaritomiH, Honda S, Tomiike H, Miyata T
-
Journal Title
-
-
-
-