2007 Fiscal Year Annual Research Report
血栓性血小板減少性紫斑病の原因遺伝子ADAMTS13の研究
Project/Area Number |
17390285
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 National Cardiovascular Center Research Institute, 病因部, 部長 (90183970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 繁則 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (00303959)
宮田 茂樹 国立循環器病センター研究所, 輸血管理室, 医長 (20239411)
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
坂野 史明 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (00373514)
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Keywords | 血小板 / 血小板減少症 / フォンビルブランド因子 / 遺伝子改変マウス / ADAMTS13 / 血管内皮細胞 / 血栓 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
前年度のAdamts13ノックアウトマウスの作製に続き、今年度はADAMTS13のC末端部分の2つのTsp1様ドメインと2つのCUBドメインを欠失したコンジェニックマウスを作製し、生体内の機能を解析した。すなわち、同一の遺伝的背景をもつ3種のマウス、1)全長型ADAMTS13発現マウス、2)C末端欠損型ADAMTS13発現マウス、3) ADAMTS13完全欠損マウスに、蛍光ラベルした血小板を静庄後、ヒスタミン活性化血管内皮細胞上への血小板接着および塩化鉄血管障害部位での血栓形成を生体顕微鏡にて経時観察し、群問の血栓傾向の差違を比較した。その結果、ADAMTS13完全欠損マウスでは、活性化内皮細胞上への血小板接着亢進、血管障害部位での血栓初発時間および血管閉塞時間の短縮が顕著に認められ、強い易血栓傾向にあることが示唆された。C末端欠損マウスでは、活性化内皮細胞への血小板接着、血管障害部位での血栓初発時間は正常であったが、血管閉塞時間の短縮がみられた。C末端ドメイン欠損型ADAMTS13では、血栓形成惹起状況下にVWFを効率よく切断する機能が、全長型ADAMTS13に比べて低下していると考えられた。また、ADAMTS13の活性制御因子や局在性を決める因子の同定は、高ずり応力下で生じる動脈血栓の解明に重要であると考え、ADAMTS13に結合する因子をゲノム網羅的手法を用いてスクリーニングを行い、ADAMTS13に結合する血漿因子を同定した。オーストラリアの血栓性血小板減少性紫斑病患者のADAMTS13遺伝子解析を行ったが、変異を同定できなかった。
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Research Products
(5 results)