2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児癌細胞における細胞死誘導耐性化機序の解明とその克服手段の開発
Project/Area Number |
17390301
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
駒田 美弘 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80186791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 英一 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (50211008)
堀 浩樹 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40252366)
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Keywords | アポトーシス / カスパーゼ / 細胞周期 / サイクリン蛋白 / 抗Fas抗体 / TRAIL / 細胞死受容体 |
Research Abstract |
抗Fas抗体、あるいはTRAIL刺激によりアポトーシス細胞死が誘導される白血病細胞を用いて、カスパーゼ-8、カスパーゼ-3の活性化がどの細胞周期において誘導されるかを明らかにすることを目的に以下の解析を行った。カスパーゼ-8、カスパーゼ-3の活性化の検討には、抗活性化カスパーゼ-8、抗活性化カスパーゼ-3抗体、および活性化カスパーゼ-8、活性化カスパーゼ-3に特異的に結合する標識ペプチドを用いて、抗Fas抗体、あるいはTRAILにて刺激した白血病細胞株を染色し、その反応(結合)性をフローサイトメトリーにて解析した。また、細胞周期(回転)の検索には、propidium iodide染色によるDNA量測定法を用い、フローサイトメトリーにて解析した。その結果、カスパーゼ-8の活性化された細胞分画は、G0/G1期の細胞集団から連続性に認められた。また、カスパーゼ-3の活性化された細胞分画は、G0/G1期からS期の細胞集団から連続性に認められた。さらに、カスパーゼ-8、あるいはカスパーゼ-3の活性化の細胞周期特異性の有無を詳細に検討するために、カスパーゼ-8、あるいはカスパーゼ-3の活性化した細胞における細胞周期特異的サイクリン蛋白の発現プロフィールを検索した。サイクリン蛋白の発現は、抗サイクリンA(S期特異的)抗体、抗サイクリンB1(G2-M期特異的)抗体、抗サイクリンE(late G1-early S期早期特異的)抗体にて染色し、フローサイトメトリーを用いて解析した。その結果、カスパーゼ-8の活性化された細胞、カスパーゼ-3の活性化された細胞は、ともにサイクリンA陰性、サイクリンB1陰性、サイクリンE陽性を示した。以上の結果より、細胞死受容体を介して誘導されるカスパーゼの活性化には細胞周期特異性が認められ、カスパーゼ-8の活性化は、G0/G1期において、カスパーゼ-3の活性化は、G0/G1期からearly S期にかけて誘導されることが示唆された。次年度においては、細胞回転を阻害することにより、細胞死受容体を介する刺激によるカスパーゼの活性化が抑制され、その結果として細胞死の誘導が障害されるかを検討する予定である。また、細胞周期による、細胞死シグナル伝達に関与する種々の蛋白分子(カスパーゼ、アポトーシス抑制蛋白)の発現の変化についても検討を加えたい。
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Research Products
(1 results)