2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機酸・脂肪酸代謝異常のスクリーニング、診断、治療評価、病因検索体制の確立
Project/Area Number |
17390302
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 清次 島根大学, 医学部, 教授 (60144044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 敏幸 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70260578)
長谷川 有紀 島根大学, 医学部, 助手 (00362921)
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Keywords | 有機酸代謝異常症 / 脂肪酸代謝異常症 / 質量分析 / Fast-GC / MS / 酵素診断 / 遺伝子解析 / 国際情報交換 / 中国:ベトナム:インド:フランス |
Research Abstract |
平成17年度以下のような研究成果を得た。 1)タンデムマス(ESI-MS/MS)によって血液ろ紙を用いた新生児マススクリーニングパイロット研究を開始した。これまでのところ約15,000検体を分析して、4例の有機酸脂肪酸代謝異常を発見した。1例は見かけ上症状はないが精密検査をしたところ高アンモニア血症がみられ食事療法を開始した。この症例を含め4例ともに臨床症状はなく経過を観察している。また最近5年間のインフルエンザ脳症患者の代謝解析結果を検討したところ、70例中8例に代謝異常の疑われる所見が見いだされた。少なくとも10%近くの患者の背景に代謝異常がかくれている可能性を明らかにした。 2)これまで世界的に使用されてきたキャピラリーカラムにかえて、髪の毛のように細いカラムを用いるFast-GC/MSの研究を開始した。今年度我々の開発したGC/MSデータ自動処理システムがFast-GC/MSに応用できることを確認した。 3)安定同位体を培養細胞に加えて代謝産物をタンデムマスで分析する方法の検討を開始した。データは現時点ででていない。 4)脂肪酸代謝異常であるVLCAD欠損症、グルタル酸血症2型を今年度それぞれ数例ずつ遺伝子解析した。VLCAD欠損症は日本人では軽症の多いこと、GA2では欠損タンパク3種類のうちで偏りがないことがわかってきた。 5)アジアを中心に有機酸脂肪酸代謝異常症の診断、病因解析の面で国際協力を推進した。ベトナム、中国、インドなどから送られた尿ろ紙、血液ろ紙を分析して、81例の患者を診断した。またグルタル酸血症2型患者2例の病因を明らかにした。引き続き解析中である。 今年度おおむね計画通りに研究が進んでいる。
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Research Products
(7 results)