2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス特異的T細胞のホーミングにおけるフコース転移酵素の関与
Project/Area Number |
17390313
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
高橋 良 杏林大学, 医学部, 助手 (00317091)
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Keywords | フコース転移酵素 / T細胞のホーミング / ウイルス / Eセクレチンリガンド / CLA / エフェクター・メモリーT細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度の実験では、末梢血リンパ球分画(PBMC)よりナイーブCD4^+及びCD8^+T細胞分画を得、基本的にはそれを抗CD3抗体で刺激をすることにより、effector memory細胞にまで分化させるという培養系を用いて、その分化過程で発現してくる分子、糖転移酵素について検討を行った。 1.抗CD3によるactivation cultureにおいて、これらT細胞にまず発現してくる接着分子はE-selectin ligand(ESL)であり、これはCLA分子の発現を伴わず発現レベルも低かった。しかし、これをIL-12richのresting culture(抗CD3を含まない)にtransferすると、CLA分子を伴って強いESLの発現を認めた。さらに分化が進むと、このESL発現は低下し、CLA単独陽性となった。 2.以上の分化過程におけるフコース転移酵素(Fuc-T)の発現を検討したところ、activation cultureの時期にはFuc-TIVとFuc-TVIIがともに強く発現していた。しかし、その後resting cultureへtransferすることにより、Fuc-TIVの発現が著明に低下するのに対し、Fuc-TVIIの発現レベルには変動が認められなかった。このFuc-TIVの発現低下が起こることが、よりT細胞の分化が進みCLA発現を伴った高度のESL発現が起こるためには必須であることが分かった。 3.次にFuc-TIVの発現低下をきたすサイトカイン環境について検討したところ、IL-12の存在が必須であることが明らかになった。 4.Fuc-TIVとFuc-TVIIは同じ基質を使用することから、基質の競合がこのようなFuc-TIVの発現低下をもたらすのではないかと考え、現在様々な培養条件を検討中である。
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Research Products
(5 results)