2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス特異的T細胞のホーミングにおけるフコース転移酵素の関与
Project/Area Number |
17390313
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
高橋 良 杏林大学, 医学部, 助手 (00317091)
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Keywords | regulatory T cell / 薬剤性過敏症症候群 / ウイルス / E-セレクチンリガンド / CLA / FucT-VII / T細胞のホーミング |
Research Abstract |
本年度の研究では、ウイルス特異的T細胞の皮膚へのホーミングに対して抑制的に働く制御性T細胞regulatory T cell (Treg)に関する検討を中心に行った。 1.ウイルスと薬剤の両者が関与する代表的な病態である薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome : DIHS)において、急性期にはウイルス特異的あるいは薬剤特異的T細胞の抗原特異的活性化を抑制するregulatory T cells (Treg)が増加していた。 2.急性期におけるTregの増加は、ウイルスの再活性化を認めない他の重症薬疹では起こらなかった。 3.DIHSの急性期において増加しているTregには、皮膚への選択的遊走に関与すると思われるE-selectin ligand (ESL)、CCR4が優先的に発現した。 4.DIHSの急性期に増加しているTregは、ウイルス特異的、あるいは薬剤特異的T細胞が抗原刺激による活性化の際のIFN-γ、TNF-α、IL-産生を抑制することが示された。しかしこのようなTregは回復期には減少し正常範囲に戻る。しかしサイトカイン産生の抑制機能は著明に低下した。 5.DIHSの急性期に著明に増加するTregは、in vitroでの抗原機能によっても増加した。つまり抗原特異的にエフェクターT細胞の活性化を抑制する細胞と考えられた。 6.DIHSの急性期に増加しているTregの多くはCLA、ESL陽性であり、fucosyltransferaze VII (FucT-VII)陽性であった。 以上の結果から、ある種のウイルスの再活性化を伴う重症薬疹ではウイルス特異的、薬剤特異的にTregが活性化し、effector T細胞の活性化、皮膚への遊走を選択的に抑制する。この細胞自体が皮膚へのホーミング能を有することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)