2005 Fiscal Year Annual Research Report
In vitroとin vivoにおける皮膚の幹細胞システムの再構築に関する研究
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17390314
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
大河内 仁志 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 部長 (30185235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 辰夫 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 室長 (70228534)
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Keywords | 角化細胞 / 毛乳頭細胞 / 毛包 |
Research Abstract |
In vitroのアッセイ系としてクローニングリングを用いて培養皿の中央にケラチノサイト(KC)をまき、あらかじめシート状にするという独自に考案した実験系を用いた。通常の無血清培地(SFM)では中央部の細胞は角化し、辺縁の細胞はバラバラに遊走するだけであったが、SFMに10%FBS加DMEMを混ぜた培養液にすると同心円状の協調したoutgrowthが見られた。2-3日後から1日で直径が4mm程度ずつ拡大し、outgrowthしている間は中央部の角化が抑制された。以上の結果よりKCのシート状増殖には張力の変化とCa濃度に依存する細胞間接着の強度も関係があると思われた。一方無血清下でもCa濃度を上昇させただけでシート状増殖をすることが判明したが、1週間以上経過すると拡大増殖が止まった。無血清下で増殖の止まった状態の上皮シートに血清を添加すると再び増殖を開始したことから、血清の影響を強くうけていることが示唆された。そこで増殖抑制のメカニズムを解明するために、増殖の止まった上皮シートの培養上清を拡大増殖中の上皮シートに添加すると血清存在下でも増殖の抑制が見られた。以上の結果からシート状増殖においては、角化細胞自身が"増殖抑制因子"を産生して増殖にブレーキをかけていることが示唆された。 In vivoの幹細胞システムの再構築を解析するには、毛包誘導を行いバルジの再構築を検討した。シリコンチェンバーを用いてヌードマウスに細胞を移植して毛包誘導する実験系は使用する細胞数が1×10^7以上と多いことが難点であった。そこでStennらの報告した皮下注入法を試みたところ、10分の1以下の細胞数で毛包誘導が可能であった。次に毛乳頭細胞を種々の細胞成長因子を加えて培養したところbFGFの添加により、増殖能が保たれ、長期継代培養が可能になった。また10代以上のものでも毛包誘導能を示した。GFPマウスの毛乳頭細胞を使った移植実験では、形成された毛包の毛乳頭のみならず、dermal sheathにも蛍光が認められた。毛包誘導実験においてBrdUの標識実験も試みたが、バルジ領域のlabel retaining cellの検出には至っていない。従って今後の課題としては移植移植によって誘導された毛包が毛周期をもつことを証明する必要があると考えられる。
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Research Products
(3 results)