2006 Fiscal Year Annual Research Report
In vitroとin vivoにおける皮膚の幹細胞システムの再構築に関する研究
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17390314
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
大河内 仁志 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 部長 (30185235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 辰夫 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 室長 (70228534)
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Keywords | 角化細胞 / 毛乳頭細胞 / 毛包 |
Research Abstract |
In vitroのアッセイ系としてクローニングリングを用いて培養皿の中央にケラチノサイト(KC)をまき、あらかじめシート状にする実験系を用いた。無血清下でもCa濃度を上昇させただけでシート状増殖をするが、1週間以上経過すると拡大増殖が止まった。そこで増殖抑制のメカニズムを解明するために、増殖の止まった上皮シートの培養上清をフィルターにかけて濃縮した。3万以下の低分子量群に抑制活性が見られたが、透析すると活性がはっきりしなくなった。次に増殖の止まった上皮シートと拡大増殖中の上皮シートからRNAを抽出し、differentail display法を用いて、遺伝子発現の差を検討した。増殖の止まった群に強く発現する遺伝子の中から10個選び、クローニングして塩基配列を求めたところ、ケラチン10やlate cornified envelope 2cなどの既知の分化に関する遺伝子以外にcalmodulin-like5,stromal cell-derived factor2-like1の遺伝子と未知の遺伝子が2個見っかった。造血幹細胞や神経幹細胞の幹細胞マーカーの一つであるCD133に注目して、皮膚を免疫染色して検討したところ、毛乳頭部に陽性細胞が見られた。またマウスの皮膚にて毛周期の生長期初期の毛乳頭細胞に一過性に発現していることが判明した。 In vivoの幹細胞システムの再構築を解析するには、毛包誘導を行いバルジの再構築を検討した。Stennらの報告した皮下注入法にて毛包誘導が可能であり、毛包と同時に脂腺も誘導されることを確認した。次に毛乳頭細胞を種々の細胞成長因子を加えて培養したところbFGFの添加により、増殖能が保たれ、長期継代培養が可能になった。また10代以上のものでも毛乳頭細胞を強制的に凝集させてsphereを作成し、上皮細胞と混合すると毛包誘導能を示した。一方、毛母のケラチノサイトはケラチン14の発現が低下しているので、毛乳頭細胞の上にケラチノサイトを共培養して、ケラチン14の発現を検討したが、特に発現の減弱は認められなかった。
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Research Products
(5 results)