2007 Fiscal Year Annual Research Report
In vitroとin vivoにおける皮膚の幹細胞システムの再構築に関する研究
Project/Area Number |
17390314
|
Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
大河内 仁志 Research Institute, International Medical Center of Japan, 細胞組織再生医学研究部, 部長 (30185235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 辰夫 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 室長 (70228534)
|
Keywords | 角化細胞 / 毛乳頭細胞 / 毛包 |
Research Abstract |
インテグリンβ1は角化細胞の幹細胞に強く発現する事が報告されている。そこでインテグリンβ1を高発現するHaCat細胞を分取した後、シグナル伝達を検討したところ、通常のHaCat細胞よりMAPKの活性が高く、Gab1やPI3-Kの活性化みられた。 造血幹細胞などのマーカーであるCD133が毛乳頭細胞にも発現することを見つけ、成長期にのみ毛周期依存的に発現することを示した(J Invest Dermatil.127:1052-60,2007)。またCD133陽性細胞は毛包誘導能を有するのみならず、神経細胞、グリア細胞、平滑筋細胞などに分化することを確認したが、すでに報告されている真皮の多能性幹細胞であるSKP(Skin-derived precursor cell)とは異なる細胞である可能性が示唆された。 毛は上皮と間葉系細胞の相互作用を研究するモデルとしてすぐれている。毛乳頭細胞は継代培養すると増殖能と毛包誘導能が低下することが知られているが、培養液にbFGFを加える長期間培養することが可能になった。また10代以上継代培養した毛乳頭細胞はKCと一緒に移植しても毛包誘導能を示さなかったが、毛乳頭細胞を強制的に凝集させてsphereをつくり、KCと一緒に移植すると毛の誘導がみられた。すなわち毛乳頭細胞を塊にすることで毛包誘導能を維持できる可能性が示唆された(Tissue Eng 13:975-82,2007)。マウスの培養毛乳頭細胞をsphereにして毛のない足底皮膚の表皮と真皮境界部に移植するサンドイッチ法を試みたところ、毛包形成がみられ、脂腺も同時に形成されることを確認した。また移植した毛乳頭細胞は毛乳頭を構成するのみならず、毛の外側のdermal sheathの細胞にもなっていることを組織学的に確認した。
|
Research Products
(7 results)