2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390316
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 謙二 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (10189483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 武男 理化学研究所, 脳科学研究所, チームリーダー (30249958)
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Keywords | NMDA受容体 / 統合失調症 / ニコチン受容体 / シグマ受容体 / トロピセトロン / グルタミン酸 / 認知機能障害 / フルボキサミン |
Research Abstract |
NMDA受容体を介するグルタミン酸神経伝達の異常は、統合失調症などの精神疾患の病態に関与していることが示唆されている。このようなことよりNMDA受容体拮抗薬フェンサイクリジン(PCP)は、統合失調症の動物モデルとして頻繁に使用されている。我々はPCPの繰り返し投与によって引き起こされる認知機能障害のモデルにおいて、非定型抗精神病薬クロザピンは改善作用を示すが、定型抗精神病薬ハロペリドールには改善作用が無いことを見出した。以上のことより、PCP誘発認知機能障害モデルは新規非定型抗精神病薬の開発に有用であると思われる。 近年、シグマ-1受容体がNMDA受容体を制御していることが示唆されている。本研究において、シグマ-1受容体アゴニスト作用を有するフルボキサミンがPCP誘発認知機能障害に対して改善作用を有することが判り、その改善作用がシグマ-1受容体拮抗薬NE-100で拮抗されることがわかった。さらに選択的なシグマ-1受容体アゴニストSA4503や内在性シグマ-1受容体アゴニストである神経ステロイドDHEA-sulphateは、PCP誘発認知機能障害に対して改善作用を有することが判り、その改善作用がシグマ-1受容体拮抗薬NE-100で拮抗されることがわかった。 次に近年、α7ニコチン受容体が統合失調症の病態に関与していること、さらにはα7ニコチン受容体アゴニストが新しい治療薬として可能性があること示唆されている。本研究において、α7ニコチン受容体アゴニスト作用を有するトロピセトロンがPCP誘発認知機能障害に対して改善作用を有することが判り、その改善作用がα7ニコチン受容体拮抗薬MLAで拮抗されることがわかった。 以上の結果より、シグマ-1受容体アゴニストやα7ニコチン受容体アゴニストは統合失調症の新しい治療薬として有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)