2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390326
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武田 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10197311)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 享 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20157978)
呉 勁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20375512)
湯浅 哲也 山形大学, 工学部, 教授 (30240146)
深見 忠典 山形大学, 工学部, 助手 (70333987)
|
Keywords | 蛍光X線 / CT / 生体画像 / 微量元素 / 機能画像 / 透過X線CT / 形態画像 / 半導体検出器 |
Research Abstract |
生きた生体内の微量元素を高い空間分解能で検出でき、分子イメージング技術として使用できる蛍光X線CT(FXCT)を実用化する上で最大の問題となっている高速データ収集技術の確立を本研究では目指す。 我々は核医学検査(SPECT)で使用する放射性ヨウ素(^<123>I)の換わりに、非放射性ヨウ素(^<127>I)を標識した化合物を投与し、生きたマウスの脳血流や心筋脂肪酸代謝の画像化に成功した。動物実験で示された画像の容積分解能(0.05mm^3)は、放射性化合物を用いる最新の動物用micro-PET(目標1mm^3)やmicro-SPECT(0.5mm^3)より一桁以上高く、従来の手法では到底到達できない分解能の画像がFXCTでは得られる。これは、生きた生体に非放射性化合物を投与し核医学検査(SPECT)と同様な機能画像を高い空間分解能で得られる事を意味し、機能画像研究に利用できる世界に誇る撮影技術になると考えられる。1素子Ge半導体検出器で生体試料を撮影した時、試料から多量の蛍光X線と散乱線が発生し、利用した半導体検出器が飽和(dead timeが高すぎ)し、高速な計測ができないという問題が生じた。この問題を解決するため、本研究では高係数率の並列検出器を開発し、蛍光X線CTで生きた生体の高速撮影が可能な事を実証する。これは、分子イメージングとして使用できる高速蛍光X線CT撮影技術確立の鍵となる実験である。 実験は、高エネルギー加速器研究機構のトリスタン前段加速器AR ringの放射光実験施設で行った。平成12年度科学研究費補助金で作製した機械的駆動装置を使用し、高速撮影のため、蛍光と同時に得られるコンプトン散乱を利用した計測手法の改良を行った。また、蛍光X線計測のため新たな並列型3素子Ge半導体検出器を作製した。検出器は、完成したばかりなので生体試料の撮影を行っていないが、Fe-59を用いた予備的な検討で、各素子のエネルギー分解能が120-130eV程度得られ、高エネルギー分解能な計測が可能になると考えられた。次年度は、本検出器により0.1mm^3以下の高分解能で、生きた生体の蛍光X線イメージングを短時間で行える事を実験的に実証する。
|
Research Products
(6 results)