2005 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌・乳癌に発現する有機アニオントランスポーターの機能と腫瘍生物学的意義
Project/Area Number |
17390358
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 倫明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70282043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 高明 東北大学, 病院・講師 (80292209)
片寄 友 東北大学, 病院・助手 (20302151)
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Keywords | 有機アニオントランスポーター / LST-2 / 結腸癌 / 予後因子 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
我々は、liver-specific organic anion transporter-2(LST-2)のモノクローナル抗体を作成し、この抗体を使用して免疫染色を施行したところ、一部の結腸癌組織においてLST-2が陽性になることを明らかにした。そこで、結腸癌手術検体を用いてLST-2発現と各種臨床病理学的因子や予後との相関を検討し、LST-2の癌細胞における腫瘍生物学的意義を探索することを目的に以下の検討を行った。 1994年から1999年の本学および宮城県立がんセンターでの大腸癌手術症例255例を用いて、LST-2特異的抗体で免疫染色を施行した。同時に各種臨床病理学的因子と予後に関し相関を検討した。 その結果、255例中、67例の癌細胞膜及び細胞質で陽性であった。一方、正常大腸粘膜は陰性(ないし弱陽性)であった。Fig.1に示したように結腸癌組織内ではLST-2陽性細胞はsporadicないしfocalに染色され、陽性細胞は最高でも30%程度であった。 次に、LST-2発現と予後に関して、overall survivalを検討したところ、LST-2陽性症例は、女性においてのみ有意に生存率が高い(P=0.0217)ことが明らかとなった。次に既知の結腸癌予後因子群(リンパ節転移/浸潤度/histological grade/血管浸潤/リンパ節浸潤/Ki-67 labelling index等)との単多変量解析を施行した。その結果女性結腸癌症例におけるLST-2の発現は、従来報告されているDukes分類やリンパ管浸潤と同様に予後因子であることが明らかになった。さらに多変量解析を施行したところ、これらを超える優れた独立予後規定因子になることが判明した(P=0.0447,relative risk (95%CI)=8,264)。
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Research Products
(3 results)