2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化器がんテイラード化学療法:治療効果予測系と大規模臨床評価システムの確立
Project/Area Number |
17390369
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西山 正彦 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20198526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
野口 剛 大分大学, 医学部, 助教授 (20264335)
吉田 和弘 広島大学, 病院・講師 (50230727)
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Keywords | 遺伝子発現解析 / マイクロアレイ / テイラード医療 / 抗がん剤 / 消火器がん / 効果予測システム / 臨床研究 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
研究実施計画に沿い、本年度は(A)胃がん・大腸がん・食道がんを対象とした効果予測システムの初期モデル確立の前向き臨床研究を行い、同効果予測モデルの設定および有用性評価と簡易解析キットの開発、(B)新たな効果予測指標の同定と新規予測モデルの策定、を試みた。 得られた成果:(A)食道がん(Int.J.Oncol.)、大腸がん(米国癌治療学会および欧州腫瘍内科学会発表・論文投稿準備中)では、網羅的解析などによる遺伝子発現情報と抗がん剤感受性に関わる臨床情報とを収集、複数の効果関連遺伝子群の発現情報を基に治療効果を定量的に予測する数式(モデル)の設定に至り、その臨床応用の高い可能性を明らかにした。また、胃がんでは新たにpaclitaxelを対象とした効果予測式の設定に至った(米国癌治療学会発表予定・論文投稿準備中)。(B)食道がんにおけるCDDPの効果規定因子としてIFHM1を見出し、その機能を明らかにするととともに(論文投稿準備中)、大腸がんにおけるCPT-11の効果にcarboxylesterase IA2が深く関わることを明らかにした(Pharmacogenet.Genomics)。本研究で得られたノウハウは、他癌種での効果予測系や予後予測系の開発研究にも貢献しており(卵巣がん:Mol.Cancer Ther.,神経芽種:J.Paediatr.Surg.,子宮体がん:Oncol.Rep.印刷中)、また、新たな予後予測マーカーとしての可能性を有するがん不死化関連遺伝子群を同定、特許の申請にも至った。派生、付随した研究の成果も含め、テイラード化学療法の進歩に貢献しうる成果が得られた、あるいは得られつつあるものと考える。現在、簡易解析キットの開発に向けて新規同定マーカー遺伝子の機能確定研究を鋭意進めている。
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Research Products
(7 results)