2006 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定した血管新生関連遺伝子群の解析とその制御による癌冬眠化治療の開発
Project/Area Number |
17390371
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 真二 東京医科歯科大学, 情報処理センター, 特任助教授 (30253420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 光生 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
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Keywords | 血管新生 / CCNファミリー / TGF-beta / Angiopoietin / Tie2 / prostaglandin E2 / 腫瘍関連単核球 / Grb7 |
Research Abstract |
本研究では血管新生に関与するCCNシグナルとAngiopoietin/Tie2シグナルの2点を中心とした解析を行なっている。 (1)CCNシグナル分子の解析 CCNファミリー蛋白はIGFBPドメイン、VWCドメイン、THBSドメイン、CKドメインから構成されている。我々は癌組織の高発現遺伝子として、VWCドメインを欠損するCCN4v、THBSドメイン、CKドメインを欠損するCCN6vをクローニングした(GenBank登録AB034725,075040)。本研究によりCCN4-VWCドメインがTGF-betaと結合すること、CCN4vによってTGF-betaの血管新生作用が促進すること(Tanaka."CCN proteins"Imperial College Press,2005)、発生期においてCCN4vが特異的に発現すること(FEBSJ, in press)を見出した。 (2)Angiopoietin/Tie2シグナル分子の解析 肝癌臨床検体から新規血管新生遺伝子Angiopoietin-2をクローニングした(GenBank登録AB009865)。本研究によりヒト肝癌培養細胞では、低酸素ではAngiopoietin発現が誘導されないこと、炎症性サイトカインprostaglandin E2によってAngiopoietin-2発現が亢進し、Cox-2阻害剤によって抑制されることを見出した(Tanaka et al.J Hepatol 2006)。また、肝癌臨床検体では、Tie2が肝癌の新生血管だけではなく、腫瘍関連単核球にも発現していることを見出した。Tie2発現単核球はAngiopoietin-2によって腫瘍組織にホーミングし、血管新生を促進することが示されており(Blood, in press)、新たなAngiopoietin/Tie2シグナルの血管新生メカニズムが示唆された。さらに、Tie2と結合するシグナル伝達分子Grb7の結合ペプチドを開発し、シグナル伝達阻害作用を解析した(Tanaka et al.JNCI 2006)。
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Research Products
(11 results)