2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫活性化アジュバントと癌抗原蛋白を用いた新規癌ワクチンの臨床研究
Project/Area Number |
17390376
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
森川 利昭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60292025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30215454)
秋田 弘俊 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70222528)
西村 孝司 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30143001)
池田 裕明 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (40374673)
宮本 正樹 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (40333611)
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Keywords | 難治癌 / 癌抗原 / 癌ワクチン / 遺伝子診断 / 免疫誘導療法 |
Research Abstract |
インフォームドコンセントの得られた癌患者より切除された組織よりmRNAを抽出、RT-PCRおよび免疫染色法を用いて癌関連遺伝子の発現をスクリーニングした。まず肺癌、食道癌症例においてNY-ESO-1、MAGE-A4遺伝子の発現を診断した。肺癌に於いては、157例の非小細胞肺癌症例に対してNY-ESO-1、MAGE-A4の遺伝子診断を施行し、それぞれ28.4%、8.3%の遺伝子発現を認めた。同時に施行したTIL (Tumor Infiltrating Lymphocyte)の検討では、抗腫瘍免疫に重要なはたらきをもつCD4+T細胞およびCD8+T細胞と腫瘍抗原発現の相関は認められなかったが双方のTILがともに多く浸潤する腫瘍は有意に予後が良好であった。早期癌症例での予後には差を認めなかったが、MAGE-A4が過剰発現しているにもかかわらず進行した癌をもつ症例は極めて予後不良であることが判明した。一方、食道癌症例122例において施行したNY-ESO-1遺伝子の発現解析では、18%の腫瘍で遺伝子発現が確認された。NY-ESO-1遺伝子を発現している腫瘍に対しては有意にCD4+T細胞およびCD8+T細胞浸潤が多く、食道癌全症例でみると、予後良好な傾向が見られた。さらに病期IIIおよびIVの進行食道癌ではNY-ESO-1遺伝子発現陽性症例は陰性症例と比較して有意に予後良好であった。これらの診断結果をもとに、切除不能・再発症例を対象として、癌ワクチンの第一相試験のエントリーを開始した。試験に際しては、北海道大学病院治験センター、病理部、薬剤部の協力体制を確保した。
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Research Products
(1 results)