2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱外中性子を用いた悪性脳腫瘍に対する細胞選択的次世代粒子線治療の研究
Project/Area Number |
17390390
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 明 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (90241819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲哉 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (30375505)
柴田 靖 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50400685)
影治 照喜 徳島大学, 医学部歯学部附属病院, 講師 (70294684)
熊田 博明 (独)日本原子力開発機構, 研究炉部, 研究員 (30354913)
磯辺 智範 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70383643)
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Keywords | グリオーマ / BMCT / ホウ素 / 中性子 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
1.臨床研究 初発神経膠腫(GradeIII-IV)に対する熱外中性子捕捉療法を6例追加し、熱外中性子を用いて治療した膠芽腫14例についての解析を行った。14例は年齢平均56.3歳(32-76歳)の男性4名、女性10名で、全例病理組織学的に膠芽腫と診断された。無増悪期間time to progression(TTP)は12.0M、全生存期間overall survival(OS)は7名が生存している時点で25.7Mであり、同時期のX線分割照射治療群35名のTTP4.6M、OS16.4Mと比較して良好であった(Loglank test ; p=0.030,p=0.070)。治療線量が最も高い平成17年以降の7例についてのKPSの低下は手術後3から6ヶ月で28.6%、6から9ヶ月で0%であり、X線分割照射の41.2%、23.5%よりも低値にとどまった。またgrade3以上のadverse effectは一過性の動眼神経麻痺が1例に認められた。 2.MRS フェニルアラニンの磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)による定量評価の研究を行った。フェニルアラニンは約7ppmのchemical shift peakを認めた。ファントム実験を行い、水を標準物質としてフェニルアラニン濃度を計算すると、計算値と実際値がほぼ比例することを確認し国際磁気共鳴医学会にて発表する予定である。 3.マルチリーフコリメーター、強度変調を用いた治療計画のシミュレーション研究 既に治療を行った症例のデータと中性子捕捉療法線量シミュレーションシステム(JCDS)を用い、マルチリーフコリメーターの有無による線量分布の違いを明らかにした。今後、実際の症例への適用した場合の有用性について検討する。
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