2005 Fiscal Year Annual Research Report
包括的遺伝子発現情報を基にした悪性脳腫瘍に対する新たな診断学、治療学の展開
Project/Area Number |
17390394
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山中 龍也 新潟大学, 脳研究所, 講師 (20323991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妻沼 到 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (30313539)
竹田津 宏子 久留米大学, 医学部, 助手 (70343697)
西尾 和人 国立がんセンター研究所, 室長(研究職) (10208134)
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Keywords | malignant brain tumor / Gene expression profile / Microarray / ペプチドワクチン / 抗体 / 分子標的薬 |
Research Abstract |
我々は平成14年から16年まで基盤研究B(2)課題番号14370428により、悪性脳腫瘍100例のマイクロアレイを用いた解析から、遺伝子発現プロファイル情報からなるデータベースを作成した。今回はこのデータベースをもとに、悪性神経膠腫でuniqueな遺伝子のうちで治療の標的となりうる新たな遺伝子30個が選択された。さらに悪性神経膠腫患者の予後と相関する遺伝子として、22種類の遺伝子が選択された。これらの新たな標的分子から分子標的薬、抗体、ペプチドワクチンの開発に向け研究を進めている。たとえば、Epherin A4,KLC,PTTGなどの遺伝子は悪性神経膠腫で高発現し、患者の予後との相関が認められ、神経膠腫細胞でsiRNAを用いてその発現を抑制すると、細胞増殖能、浸潤能が抑制される事が明らかとなった。 さらにKLCのコンピューター解析からHLA-A24分子に結合能を持つエピトープ候補ペプチドを作成し、in vitroにおける細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を試みた。このCTLがHLA-A24分子を持つグリオーマ細胞に対しても高い細胞障害性を証明でき、抗原エピトープである事がわかった。神経膠腫に対するあらたなペプチドワクチンとなりうる事が示された。 さらに、Epherin A4を阻害する標的薬のスクリーニングを進め、分子標的薬の開発に向け研究を展開している。さらに、遺伝子についても解析をすすめ、標的分子となりうる事を確認し、分子標的薬、抗体、ペプチドワクチンの開発に向け研究を進める予定でいる。 さらに、それらの遺伝子からなる簡易マイクロアレイを作成し、悪性神経膠腫をprosopectiveに検討し、その遺伝子発現プロファイル情報から最も有用と考えられる治療方法を選択し、期待通りの治療生成が得られるか検討する。テーラーメイド型治療開発に向け研究を進める。
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Research Products
(13 results)