2005 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性神経細胞障害におけるMAPK情報伝達系の関わりについて
Project/Area Number |
17390398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野崎 和彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 信夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (40135570)
高木 康志 京都大学, 医学研究科, 助手 (40312227)
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Keywords | cerebral ischemia / ischemic tolerance / MAPK |
Research Abstract |
近年MAPK superfamilyが真核細胞のストレスならびにアポトーシスのシグナル伝達に重要な役割を果たしていることがわかり、培養神経細胞のグルタミン酸毒性によるアポトーシスにおけるp38の関与が報告された(J Biol Chem 272:18518-18521,1997)。当研究者はMAPK研究の第一人者である京都大学理学研究科の西田栄介教授との共同研究により、ジャービル海馬遅発性神経細胞死モデルにおいてのみならずジャービル海馬虚血耐性モデルにおいても、p38の活性化が重要であることを証明し(J Neurosci 20:4506-4514,2000;J Cereb Blood Flow Metab 23:1052-1059,2003)、MAPK cascadeによる神経細胞の生死の制御の可能性を示した。本研究では、これまでの成果を発展させ、虚血性神経細胞の生死におけるp38の活性を制御する因子(MAPK phosphatases)の活性変化を分子レベルで解明し、虚血性神経細胞死の分子標的治療法を確立することを目的とする。本年度においては、ジャービル海馬遅発性神経細胞死モデルおよびジャービル海馬虚血耐性モデルにおいてJNKI1の脳室内、全身投与の効果を検討し、JNKが神経細胞死に関与しているが虚血耐性現象への関与の可能性は少ないことを証明し、p38とは異なる挙動を示すことを示した。現在、phosphatase活性の検討を行っているところである。またU0126の効果についても検討中である。来年度では脳薄切片を作成し、虚血性神経細胞死に至る神経細胞、虚血耐性を有する神経細胞のみをlaser microdissection technique(LMD)により取り出し、MAPK cascadeを含めた制御蛋白のmRNAの発現の時間的変化を検討し、神経細胞死、耐性現象に関わる遺伝子を探る予定である。
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Research Products
(3 results)