2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤発生増大破裂に関わる分子機構の解明と予防法の開発のための基礎研究
Project/Area Number |
17390399
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 信夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (40135570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 和彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252452)
北 徹 京都大学, 医学研究科, 教授 (60161460)
永田 和宏 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50127114)
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Keywords | 脳動脈瘤 / 動物モデル / MMP / TIMP |
Research Abstract |
1.Matrix Metalloproteinase(MMP)の脳動脈瘤発生増大における役割 ラット実験的脳動脈瘤モデルにおいて、MMP-2、MMP-9の発現が経時的に増加することを免疫組織染色及びRT-PCRで確認した。脳動脈瘤初期病変ではマクロファージを中心とした炎症細胞の集積がみられ、脳動脈瘤壁に浸潤したマクロファージが主にMMP-2、MMP-9を発現していた。脳動脈瘤進行病変の脳動脈瘤壁においては、gelatinase活性が亢進しており、そのgelatinase活性がMMP-2、9由来であることが、in situ zymographyで確認された。MMP-2、9に特異的な阻害薬であるTolylsamを投与すると、脳動脈瘤の発生率自体には差がないものの、進行病変の割合は有意に低下し、脳動脈瘤壁のgelatinase活性も低下していた。以上より、MMP-2,-9は脳動脈瘤壁に集積するマクロファージにより分泌され、脳動脈瘤の増大を促進させることが明らかになった。 2.Tissue inhibitor of MMP(TIMP)の脳動脈瘤発生増大における役割 MMPの内因性の阻害物質であるTIMP-1,-2は、脳動脈瘤形成の早期病変では発現が上昇するが、晩期では発現がそれほど上昇せずに、MMP/TIMP比が脳動脈瘤進行病変では上昇することが定量的PCRで明らかとなった。また、TIMP-1、TIMP-2それぞれのノックアウトマウスでは脳動脈瘤の増大が促進されており、TIMP-1,-2がMMP活性を阻害することにより、脳動脈瘤形成に対し抑制的に働くこと、脳動脈瘤形成過程においてMMP/TIMPの不均衡が生じることにより、脳動脈瘤増大が促進されることが証明された。
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Research Products
(5 results)