2005 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連骨軟骨疾患におけるKlothoおよびインスリンシグナルネットワークの解明
Project/Area Number |
17390411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苅田 達郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80359611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (10361495)
石山 典幸 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (60376481)
村上 元昭 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50396751)
原 由紀則 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30396741)
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Keywords | 老化 / klotho / インスリン / IGF-I / 骨粗鬆症 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、2大老化シグナルとして知られているklothoシグナルとインスリンシグナルとの間のクロストークの分子メカニズムを解明し、骨粗鬆症や変形性関節症などの骨軟骨の老化関連疾患への関与を検討することである。初年度の本年は、テキサス大学黒尾誠教授と共同でklotho過剰発現マウス(KL-Tg)を作成し、これが同胞野生型(WT)マウスよりも寿命が延びることを明らかにした。さらに、klotho蛋白の一部が血液中に分泌されて全身を巡り、インスリンの作用を抑制するホルモンとして働くことを解明し、klotho蛋白がその抗インスリン作用を介して老化抑制ホルモンとして働くことを示した(Science 309:1829,2005)。このKL-TgマウスにおいてX-pおよび組織学的に骨組織の検討を行ったが、骨密度や骨代謝回転は、同胞WTマウスと有意な差は認められなかった。これは、klothoタンパク自身の骨代謝に対する同化作用と、インスリン/IGF-Iの骨形成作用に対する抑制作用が相殺した結果であると考えられた。また、関節不安定化負荷を与える変形性関節症のモデルを作成したが、これもklothoのgain-of-functionによって有意な抑制効果は見られなかった。 次に、metallothionein-I promoterにklohto遺伝子を結合させたconstructを作成し、これをklotho欠損マウス(KL-KO)に過剰発現させて、亜鉛の投与の有無によってklothoタンパクの発現をon-offできる系を樹立した。KL-KOに見られた多くの老化の表現系が、発現の時期に関わらず、klothoの過剰発現によってレスキューされることを確認した(Mech Ageing Dev 126:1274,2005)。
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Research Products
(6 results)