Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雄一 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30345053)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60126133)
片岡 一則 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00130245)
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Research Abstract |
初年度である本年度は,siRNA内包ナノキャリアの基本的な物性,in vitroでの遺伝子発現抑制の評価系確立を中心に行った. (1)高分子合成,物性評価 siRNAは21塩基鎖長の短い核酸分子で,ブロック共重合体との会合体形成は比較的困難である.微量サンプルでの計測可能な光散乱測定装置を用い,単分散の会合体形成の行われる条件を検討したところ,生理食塩水中に5%グルコースを添加した溶媒中で,〜100nmの単分散会合体の形成が確認された. (2)蛍光タンパク,ルシフェラーゼ恒常発現細胞株の樹立 siRNAキャリアの実用性としては,内在性に発現した遺伝子の発現抑制能が重要である.このため,2種の蛍光タンパク(GFP,dsRed),および2種のルシフェラーゼ(ウミホタルおよびウミシイタケ)を恒常的に発現する細胞株を樹立した.まずin vitroでの遺伝子発現抑制評価に用いる目的に,人肝ガン由来HuH-7細胞に対して上記2種の遺伝子を導入し,恒常的な発現を確認した. (3)in vitro実験 上記遺伝子恒常発現細胞株を用い,蛍光タンパクではGFPのみ,ルシフェラーゼではウミホタルルシフェラーゼのみを選択的に発現抑制し,もう一方の発現量をコントロールとして,siRNAによる遺伝子発現抑制能を評価した.市販siRNA導入試薬を含め,良好な再現性が得られ,遺伝子抑制機能の評価系を確立した. 現在種々のブロック共重合体,調製条件による高分子ミセル型ナノキャリアを用い,物性と遺伝子発現抑制能との相関を系統的に評価中である.また,今後骨軟骨細胞株への恒常発現細胞株を随時作成し,in vitro評価を進めると共に,モデル動物に移植し,in vivoでの機能評価にも応用していく予定である.
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