2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ機能化高分子ナノキャリアによるsiRNA導入法の構築と骨軟骨疾患への応用
Project/Area Number |
17390412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
位高 啓史 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (60292926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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Keywords | siRNA / デリバリーシステム / ナノキャリア / 骨軟骨疾患 / ナノテクノロジー / 高分子ミセル |
Research Abstract |
最終年度である本年度は,スフェロイド培養による生物学的評価に加え,ナノキャリアの生体適合性の検討およびin vivoでの実験を中心に行った。 1.スフェロイド長期培養細胞に対するキャリアによる増殖抑制 昨年度までの検討で組成を決定したsiRNA内包ナノキャリア(PEG-siRNA/PLL conjugate)を用い,DNAヘリカーゼファミーのひとつであるRecQL1をターゲットとするsiRNA投与を行ったところ,Lactoseリガンド連結ナノキャリアによる投与で,特に培養開始後1週以降のスフェロイド増殖を著明に抑制した。IC50=6nMと低濃度で効果が見られ,ナノキャリアの生理的環境下での安定性,スフェロイド内部への高い浸透性,リガンドによる効率よい細胞内取込みが寄与するものと推測された。 2.ナノキャリア生体適合性評価 さらに次世代カチオンポリマー組成として設計されたPAsp(DET)(Diethylenetriamine)を用いて,培養細胞を用いた生体適合性の検討を行った。PAsp(DET)は細胞毒性が少ないのみならず,内在性遺伝子の恒常発現もほとんどほとんど変化せず,細胞の生理的機能に影響を与えない安全なキャリアとなることが示唆された。 3.in vivo投与による骨再生 PAsp(DET)はpDNAを用いた培養細胞への遺伝子導入で高い導入効率を持ち,上述の高い生体適合性,遺伝子の持続的発現により,効率よい細胞の分化誘導が可能となった。このナノキャリアを動物骨欠損モデルに応用したところ,ウィルスベクターを上回る効率的な骨再生誘導を確認した。siRNAのin vivo展開として,さらなるキャリアの安定化を得るべく,キャリアへの架橋導入,アニオン性高分子による被覆などの検討を開始している。
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Research Products
(13 results)