2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成促進を目的とした組織工学技術の確立-脚延長モデルでの骨形成効率化の検討-
Project/Area Number |
17390416
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北小路 隆彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10303637)
鬼頭 浩史 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40291174)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60378198)
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Keywords | 骨芽細胞 / hrBMP-2 / 多孔性セラミック / 脚延長モデル / VEGF遺伝子 |
Research Abstract |
目的:組織間葉系細胞を含む骨髄細胞を用いて増殖・分化を制御することにより多量の骨芽細胞を産生し、Scaffoldを組み合わせて骨組織の形成を促進する方法を開発することである。 方法及び結果 (1)細胞分化の検討:未分化間葉系細胞の増殖による骨芽細胞数確保の検討をする目的で検討を行った。分化・増殖の両立から十分な量の骨芽細胞を得る培養法としてhrFGF-2,hrBMP-2,Plate rich plasma等の作用下に骨芽細胞への分化能を検討した。骨髄細胞を増殖目的で継代培養すると従来の培養条件では骨形成能の低下が見られ、骨芽細胞に分化する細胞数の低下が観察された。この現象はhrBMP-2を加えることにより抑制可能であった。一定の回数以上継代して骨芽細胞一の分化形質を保存しながら培養増殖するためにはhrBMP-2が必要であることが明らかとなった。 (2)scaffoldの開発:多孔性セラミックとCPC(TCP)を追加することにより、骨芽細胞の骨形成を補足し、治療期間の短縮や早期の新生骨強度の改善を検討する。CPCとhrBMP-2を始めとする成長因子との複合体は徐放性、骨形成の点で有望であると考えた。培養分化骨芽細胞をbTCP顆粒上に培養接着してこれの骨形成促進効果を動物実験で検討した。筋膜下にこの細胞・TCP複合体を埋没したが骨形成に至らなかった。現在、骨欠損モデルを作成して検討中である。移植複合体の検討と共に生体側の環境要因が大きいと考えている。この為徐放性の骨形成促進成長因子、遺伝子導入などのモデルを作成する予定。 (3)血管成長因子発現の効果検討:ラット脚延長モデルに骨髄細胞由来分化誘導骨芽細胞を移植し更に骨形成を促進する目的でVEGF遺伝子を導入強制発現させて、血管新生と最終的な骨形成との関連を検討した。ラット脚延長モデルではVEGF強制発現細胞を培養分化骨芽細胞と同時に欠損部に注入することにより骨形成能の改善を確認した。血管新生による骨形成能向上は臨床的にも骨折の遷延治癒に用いることができ臨床的は有用性が期待できる。
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Research Products
(6 results)