2005 Fiscal Year Annual Research Report
整形外科領域難治性疾患に対する転写調節因子制御を目的とした新規遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
17390417
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
菅本 一臣 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40294061)
上田 孝文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00324773)
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
妻木 範行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50303938)
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Keywords | 関節炎 / デコイ型核酸医薬 / 骨肉腫 / NFkB / E2F / 破骨細胞 |
Research Abstract |
1.サルコラーゲン関節炎モデルにおいてnaked NFkBデコイ型核酸医薬の関節内連続投与により、組織学的、画像的にも有意に関節破壊の進行が抑制された。FITCラベルした核酸医薬での検討では関節滑膜細胞中の核内に少なくとも1週間は蛍光が認められたことより、1-2週間間隔の投与は適当であると考えられた。NFkBデコイ型核酸医薬2回投与後の、関節滑膜中のTNFaおよびIL-1bの発現はタンパクレベルで有意に抑制されていた。安全性試験として同関節炎モデルを用い、治療的投与量の90倍以上の濃度で繰り返し5回静脈内投与を施行したが、明らかな副作用、毒性の出現は臨床的にも組織学的にも認められなかった。 2.ヒト関節リウマチ滑膜細胞中ではE2Fのアップレギュレーションが認められた。ベクターを用い滑膜細胞内へE2Fデコイ型核酸医薬を導入したところ導入効率は約75%程度であった。またE2Fデコイ型核酸医薬を導入により滑膜細胞の増殖は有意に抑制され、関節破壊抑制効果の可能性が示唆された。 3.これまで使用してきたS化核酸医薬にくらべより生体内での安定性を増強させる目的で核酸医薬の両端をループ型に処理したリボン型NFkBデコイ型核酸医薬を考案した。ラット破骨細胞誘導系を用いた検討では破骨細胞の誘導および成熟破骨細胞の活性化の抑制効果を認めた。 4.マウス骨肉腫高肺転移細胞株であるLM8においてはE2F、NFkBのアップレギュレーションが認められた。E2F、NFkBデコイ型核酸医薬を導入により有意に細胞増殖抑制が認められた。その作用機序においては細胞周期関連遺伝子の発現に差は認められなかったことより別の機序の関与が示唆された。
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Research Products
(3 results)