2006 Fiscal Year Annual Research Report
整形外科領域難治性疾患に対する転写調節因子制御を目的とした新規遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
17390417
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
菅本 一臣 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (40294061)
上田 孝文 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター, 臨床研究部, 医師 (00324773)
名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (10263261)
妻木 範行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50303938)
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Keywords | 核酸医薬 / 関節炎 / 変形性関節症 / 骨肉腫 / 肺転移 / NFkB / E2F / 転写因子 |
Research Abstract |
1.今年度はヒトへの臨床応用をふまえ、サルコラーゲン関節炎モデルでのオーバードーズ投与試験を行い、主要臓器での副作用が認められないことが確認された。 2.ヒト軟骨細胞培養モデルでIL-1bにより変性刺激を加えNFkBデコイ型核酸医薬を投与すると、培養軟骨細胞中のTNFaおよびIL-1bの遺伝子発現レベルは有意に抑制された。ヒト変形性関節症への応用が期待される。NFkBデコイ型核酸医薬2回投与後の、関節滑膜中のTNFaおよびIL-1bの発現はタンパクレベルで有意に抑制されていた。 3.ヒト関節リウマチ患者よりえられた滑膜組織にE2Fデコイ型核酸医薬を導入し、ヒト関節軟骨と接触させ、SCIDマウスの背部に移植するモデルを確立した。E2Fデコイ型核酸医薬を導入により滑膜組織中の炎症性細胞の増殖は有意に抑制され、パンヌスによる軟骨の浸食は組織学的に有意に抑制された。 3.これまで使用してきたS化核酸医薬にくらべより生体内での安定性を増強させる目的で核酸医薬の両端をループ型に処理したリボン型NFkBデコイ型核酸医薬を考案した。ラットコラーゲン関節炎モデルにおいて関節炎発症後足関節にnakedでリボン型NFkBデコイ型核酸医薬を関節内投与したところ、有意に足関節破壊の進行は抑制され、破壊関節局所での多核TRAP陽性細胞の総数も有意に低下し、破骨細胞誘導抑制を介した関節破壊抑制効果がin vivoで証明された. 4.マウス骨肉腫高肺転移細胞株であるLM8を移植した肺転移モデルマウスにおいて、経鼻的に核酸医薬を投与する方法を確立した。FITCラベル核酸医薬が肺内にデリバリーされていることが明らかとなった。プレリミナリーな検討では、NFkBデコイ型核酸医薬経鼻的投与においてマウスの生存が有意に延長した。
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Research Products
(5 results)