2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌の骨転移におけるTGF-β/BMPシグナルの統合的解析と治療法の開発
Project/Area Number |
17390422
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
今村 健志 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所生科学部, 部長 (70264421)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 酵素 / 生体分子 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
癌の骨転移は多種多様の因子群が関わる非常に複雑なシステムであり、TGF-β(transforming growth factor-β)シグナルとその他数多くの骨転移シグナルネットワークがどのように作用しているのか、その仕組みは現在でもほとんど理解されていない。さらに、TGF-βやファミリーの一員で骨に大量に存在するBMP(bone morphogenetic protein:骨形成因子)のシグナル研究については、骨転移への関与が示唆されつつも、未だ不明な点が多い。 このような状況を打開する試みの一つとして、申請者は、癌の骨転移に関わるTGF-β/BMPシグナル伝達系を統合的に理解し、治療法を開発することを目指し、研究を遂行した。具体的には、(1)ヒト乳がん細胞株MDA-MB-231から効率に骨に転移する亜株をクローニングし、親株と高骨転移株からmRNAを抽出し、マイクロアレイによって骨転移に重要で、TGF-β/BMPシグナルに関与する遺伝子を同定した。(2)さらに、TGF-βシグナル阻害剤投与が乳がん転移を抑制することを明らかにし、BMPシグナル抑制因子遺伝子導入がTGF-βシグナル抑制因子遺伝子導入と協調的にヒト乳がん細胞株MDA-MB-231の骨転移を抑制できることをインビボで明らかにした。(2)また、TGF-βが抗アポトーシス作用を持つDEC1の発現誘導を介して、乳がんの生存に重要な働きを担っていることを明らかにした。
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Research Products
(11 results)