2005 Fiscal Year Annual Research Report
Acellular matrix graftを用いた膀胱再生の研究
Project/Area Number |
17390440
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
椎名 浩昭 島根大学, 医学部, 助教授 (70187318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 幹夫 島根大学, 医学部, 教授 (30159587)
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Keywords | 膀胱再生 / 大動物 / acellular matrix graft |
Research Abstract |
【目的】ラットでは正常膀胱にcollagenを基本骨格とするbladder acellular matrix graft(BAMG)をscaffoldとして移植すると、この部に形態的にも機能的にも正常に近い膀胱組織が再生することが報告されている。今回、宿主ブタ膀胱に同種由来BAMGを移植する際、尿管同時移植が膀胱再生に促進的に作用する可能性を検討した。 【材料と方法】正常ブタより採取した膀胱組織は、DNaseおよびsodium deoxycholateで処理し、BAMGを作成した。全身麻酔下にブタ12匹に膀胱部分切除を行い、同種由来BAMGを宿主膀胱に4-0vicrylの2層連続縫合で移植した。尿管移植群6匹は両側尿管を遠位端で結紮し、切断した尿管はBAMGの左右後側壁に5-0 vicrylの連続縫合で吻合した。宿主膀胱にBAMGのみを移植した6匹は対照群とした。両群とも術後1週、2週および4週に膀胱の再生状態を内視鏡的に評価した。 【結果】内視鏡的な変化として、術後1週では両群とも宿主側膀胱粘膜に強い炎症性変化を認めたが、BAMG側では明らかな変化はなかった。術後2週では両群とも宿主側粘膜の炎症性変化の改善が観察され、吻合部付近ではBAMG側に上皮の被覆が観察され始めた。尿管移植群では、同様に尿管吻合部付近のBAMGにも上皮の被覆が観察され、術後4週では両群ともBAMG側への上皮被覆が進行していたが、尿管移植群ではより広範囲な上皮被覆が観察された。 【結語】BAMGを膀胱に移植する際、同時に尿管を移植することで膀胱再生が促進されることが内視鏡的に示され、完全膀胱置換への可能性を示唆するものと考えられた。
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