2006 Fiscal Year Annual Research Report
Acellular matrix graftを用いた膀胱再生の研究
Project/Area Number |
17390440
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
椎名 浩昭 島根大学, 医学部, 助教授 (70187318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 幹夫 島根大学, 医学部, 教授 (30159587)
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Keywords | 膀胱再生 / 動物実験 / acellular matrix graft |
Research Abstract |
1)VEGF溶液で一晩incubationしたラットBAMGを、VEGF溶液の局所投与を行った50%膀胱部分切除ラットの宿主膀胱に移植した。術後4週ではVEGF投与群で膀胱容量の増加と残尿率の低下を認め、術後8週以降では膀胱容量、膀胱コンプライアンス、最大膀胱内圧および残尿率は両群とも同じレベルで推移した。VEGF投与群では術後早期から血管新生と平滑筋の再生が促進され、また術後早期にNGF陽性細胞が多く出現しPGP染色陽性の神経繊維も術後4週から認められ、より総括的な膀胱再生が促進された。 2)下部胸椎レベルで脊髄を切断した脊髄損傷ラットを作成し、脊髄切断後8週で50%膀胱部分切除ラットの宿主側膀胱に同種BAMGを移植した。この場合でも、正常ラット膀胱と同様、BAMG移植後8週では尿路上皮、平滑筋、血管および神経の順調な再生が確認され、BAMG移植後の排尿効率の改善はBAMGでの機能的に正常な膀胱組織の再生を反映していた。一方、BAMGの相対面積は術後の排尿効率の改善と相関し、結石、尿路感染症、血尿を合併した場合にBAMGの相対面積が明らかに減少するため、これら合併症を予防することがfunctional bladderを再生する上でのkey factorと思われた。 3)全身麻酔下に膀胱部分切除を行ったブタ膀胱に同種由来BAMGを移植した。術後8週では、宿主側BAMGに宿主膀胱と同程度の粘膜、粘膜下層及び筋層の発達を認め、BAMG中央部でも筋繊維の再生を確認した。次に膀胱全摘後にBAMGで膀胱を完全置換するためには、BAMGに尿管を移植することが必要で、切断した尿管をBAMGの左右の後側壁に5-0バイクリルで連続縫合した。内視鏡的には、術後2週で、膀胱側と尿管移植側のBAMGで上皮被覆が観察され始めた。尿管移植群では、術後4週でBAMG側のより広範囲な上皮被覆が観察された。術後4週の生検では、宿主膀胱側と尿管移植側のBAMGに尿路上皮の被覆と、新生血管と筋繊維が認められた。BAMGに尿管を移植するとその部に平滑筋組織の再生が誘導が観察され、BAMGによる完全膀胱置換の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)