2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元マイクロアレイシステムを用いた新たな子宮体癌マススクリーニング法の開発
Project/Area Number |
17390444
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70241594)
林 慎一 東北大学, 医学部, 教授 (60144862)
新倉 仁 東北大学, 病院, 講師 (80261634)
森谷 卓也 東北大学, 病院, 准教授 (00230160)
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Keywords | 子宮体癌 / 3次元マイクロアレイ / 検診 |
Research Abstract |
子宮体癌は先進諸国において増加傾向にある癌の1つであり、子宮体癌の簡便かつ高精度の診断法の開発は緊急課題である。我々は子宮体癌のスクリーニングシステムに、新規基盤である3次元構造基盤を用いた3次元マイクロアレイシステムの使用を考えた。前年度、我々は本システムの感度、再現性、簡便性、迅速性などの試験を終え、さらに手術標本から採取した組織を用いて従来型のガラス型マイクロアレイを行うことで正常内膜組織と癌組織を選別するのに有用だと思われる22遺伝子を選出した。 本年度我々は新たに5遺伝子を選出し、子宮体癌組織の高分化型、低分化型および正常内膜組織、各10検体における27遺伝子のmRNA発現量をrea1・timePCRを用いて調べ、クラスター解析を行った。本解析は全30検体を癌組織と正常組織の2群へと分けた。そこで我々は、この27遺伝子に子宮体癌において重要視される既知の10遺伝子を足した37遺伝子を搭載した子宮体癌用カスタムチップ(EM3D)を作製した。癌組織8検体、正常組織4検体のEM3Dにおけるアレイ解析を施行したところ、EM3Dは癌組織と正常組織を異なるクラスターへと分類した。さらに検診への応用の可能性の検討として、健常者3例、癌患者6例の検診検体のRNAの抽出を試み、EM3Dにおけるアレイ解析を行った。本解析結果も健常例と癌例を異なるクラスターへと分類した。現在も組織および検診検体数を増やすべくEM3Dの解析を行っているところである。以上、本年度我々は子宮体癌と正常内膜をスクリーニング出来得る遺伝子群を載せたEM3Dの作製に成功した。EM3Dは、今後得られたデータと臨床病理学的因子との関連性を解析し、癌の悪性度診断、薬剤への感受性の予測、再発や転移の予測などを検討することで、検診のみならず、子宮体癌の様々な臨床診断の場において有用な情報提供を担うツールと成る可能性を持つ。
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Research Products
(5 results)