2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の増殖・進展機構の解明と新たな分子標的治療の開発
Project/Area Number |
17390451
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 省 鳥取大学, 医学部, 講師 (40218649)
岩部 富夫 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (10284001)
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (40322218)
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Keywords | 子宮内膜症 / GrRHアンタゴニスト / 酢酸セトロレリックス / 臨床試験 / 疼痛症状 / 血中CA-125濃度 / 血中IL-6濃度 / 血中IL-8濃度 |
Research Abstract |
子宮内膜症に対するGnRHアンタゴニスト、酢酸セトロレリックスの臨床試験が鳥取大学医学部倫理委員会の承認を得て行われた。セトロレリックス投与症例は25-46歳の6名であり、3mg/週の皮下投与を12週間行ったのち、内膜症に対する腹腔鏡手術が施行された。月経困難症の評価はAnderschの方法に従い、血中CA-125,E2,IL-6およびIL-8濃度はELISAで測定した。酢酸セトロレリックスは、ドイツZentaris社より提供を受けた。 酢酸リュープロレリンなどのGnRHアゴニスト治療とは異なり、セトロレリックス投与期間中も6例すべてにおいて月経の発来があり、血中E2レベルの低下も著明ではなかった。しかしながら、月経困難症を訴えなかった1例を除く全例において、月経痛スコアの改善を認めた。子宮内膜症の血清マーカーであるCA-125濃度は、カットオフ値の35U/mlを超えた高値症例の4例においては、セトロレリックス投与後に低下した。 教室では以前に、GnRHアゴニスト治療は内膜症細胞のサイトカイン産生を抑制して、本症の増殖・進展を抑制する可能性を報告している。難治性の深部内膜症病変であるRecto-vaginal endometriosisの1例を除き、血中IL-6とIL-8濃度が高値であった3例では、セトロレリックス投与後にサイトカインレベルは有意に低下した。 酢酸セトロレリックスの子宮内膜症に対する第II相試験が欧州で進行中である。少人数を対象とした当科の臨床試験ではあるが、以上の成績より、GnRHアゴニストとは異なった、GnRHアンタゴニストの本症治療の可能性が示された。
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Research Products
(1 results)