2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の増殖・進展機構の解明と新たな分子標的治療の開発
Project/Area Number |
17390451
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寺川 直樹 Tottori University, 医学部, 教授 (90163906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 省 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40218649)
岩部 冨夫 鳥取大学, 医学部, 講師 (10284001)
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40322218)
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Keywords | 子宮内膜症 / GnRHアンタゴニスト / 酢酸セトロレリックス / 臨床試験 / 疼痛症状 / 血中CA-125濃度 / 血中IL-6濃度 / 血中IL-8濃度 |
Research Abstract |
平成19年度については、GnRHアンタゴニスト療法と子宮内膜症患者の血中IL-6およびIL-8濃度についての臨床的検討を行った。子宮内膜症患者では血中IL-6濃度が高く、GnRHアゴニスト療法により有意に低下することを報告した。本研究では、GnRHアンタゴニスト療法が子宮内膜症患者の血中サイトカイン濃度に及ぼす影響を検討した。 欧州で行われた子宮内膜症に対するGnRHアンタゴニストの臨床試験の際に採取された血清を用いた。子宮内膜症患者20症例に対して、徐放性セトロレリックス60mg(ドイツZentaris社)が4週間隔で2回投与された。初回投与時から24週間にわたり4週ごとに臨床所見と症状の判定および採血が行われた。臨床症状と所見は疼痛スコアおよび臨床所見スコアを用いて評価した。血中のIL-6,IL-8およびCRP濃度をELISAにより測定し、CRP高値例を除いた15症例に関して検討した。 セトロレリックス2回投与後、疼痛スコアは平均2.2が0.4,臨床所見スコアは1.6が1.1に低下し、24週後まで持続した。血中IL-6は投与前1.40±0.65pg/mlであり、セトロレリックス投与後0.9±0.4pg/mlに有意に低下し、その後は投与前のレベルに復した。血中IL-8は投与前8.3±1.4pg/mlが役与後7.5±1.9pg/ml,24週後5.7±1.1pg/mlと低下傾向を示したが、有意差を認めなかった。 GnRHアンタゴニストは子宮内膜症患者の症状と臨床所見を改善し、血中IL-6濃度を低下させる事が明らかとなった。子宮内膜症に対するGnRHアンタゴニスト療法の有効性が示唆された。
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Research Products
(20 results)