2005 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性鼻炎に対するナノレベルからの機序解明と新治療法開発
Project/Area Number |
17390458
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 武千代 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70283182)
杉本 千鶴 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (80283183)
高橋 昇 福井大学, 医学部, 助手 (80293421)
藤林 康久 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50165411)
杉原 伸治 福井大学, 工学部, 助手 (70377472)
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Keywords | 線維芽細胞 / SOCS5 / PI3-kinase / BLyS / CpG-DNA / I型IFN / 形質細胞様樹状細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アレルギー性鼻炎において1)鼻粘膜構成細胞の動き、細胞内シグナル伝達をナノレベルで検討し、2)RNA・DNA・キメラ蛋白・ペプチドを用いた新しいナノ治療法の可能性を検索し、3)凝固点、融点を自由に設定できる新しいナノ粒子(合成ポリマー)を利用した鼻粘膜での薬物送達システム(drug delivery system : DDS)を確立するなど、多面的観点から追求し、それらを有機的に連動させて新しい根治的治療法を開発することである。本年度は、アレルギー性鼻炎患者から得られた線維芽細胞を用いsuppressor of cytokine signaling (SOCS)の検討を行った。その結果、IL-4刺激によって産生されるEotaxinはSOCS5の発現量に反比例することが判明した。その他のSOCS1、SOCS3の発現量とは相関を認めなかった。そこでSOCS5の発現を抑制させるSiRNAを作成し、線維芽細胞に導入するとEotaxin産生量は増加を示し、標的分子になりえることを証明した。さらに線維芽細胞におけるEotaxin産生には、PI3-kinaseが重要な役割をしていることが阻害薬の実験から判明した。現在PI3-kinase活性阻害ペプチドを作成している。 アレルギー性鼻炎において鼻粘膜におけるIgEは重要な役割を担っている。鼻粘膜におけるIgEへのクラススイッチにB lymphocyte stimulator protein (BLyS)が相乗的に関与していることを見出した。このBLySは、線維芽細胞にウイルスRNAを模倣した二本鎖RNAで刺激をすると大量に産生された。すなわちウイルスによるアレルギーに発症に抗BLyS抗体が貢献できる可能性が出てきた。一方CpG-DNAはIgE産生を抑制するが、ヒト扁桃細胞においてもCpG-DNAによってIgE産生が抑制されることがわかった。その機序として形質細胞様樹状細胞とI型IFNの産生が深く関与していた。IgG-IgE、ネコ抗原(Feld1)-IgGのキメラ蛋白を作成し、アレルギー性鼻炎に効果のあることを証明した。
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Research Products
(6 results)