2006 Fiscal Year Annual Research Report
難治性神経芽腫のがん幹細胞の分離・同定とそれを標的とした新しい治療法の開発研究
Project/Area Number |
17390473
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Research Institution | Chiba Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
中川原 章 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 研究局長 (50117181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹信 尚典 千葉県がんセンター(研究所), 病理研究部, 研究員 (60392247)
尾崎 俊文 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 上席研究員 (40260252)
大平 美紀 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 研究員 (20311384)
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Keywords | 神経芽腫 / がん幹細胞 / 幹細胞マーカー / nestin / CD133 / XCE / p73 / p63 |
Research Abstract |
神経芽腫がん幹細胞を同定し、それらをターゲットをする治療法の開発を目指し、平成18年度は神経芽腫初代細胞培養系を用いて以下の研究結果を得た。神経芽腫初代培養細胞は概してcell spheresを形成したが、予後良好な早期症例の腫瘍細胞の方がより大きなspheresを形成する傾向が見られた。また、stemnessを有する神経芽腫細胞を同定するためにBrdUの取り込み実験を6例に対して行ったところ、spheres中の一部の細胞に病期とは関係なく取り込みとその遷延が見られ、がん幹細胞存在の可能性が示唆された。一方、免疫染色において、神経堤由来幹細胞のマーカーであるp75NTRの発現を調べたところ、Nestinと同様、自然退縮傾向の強い神経芽腫において高い発現がみられたが、その発現レベルは全体的に低かった。また、神経幹細胞の新しいマーカーとして注目されているp63およびp73については、病期とは無関係に発現率が高く、今後はそれらのバリアントであるTA formとdelta-N formについて、発現レベルと局在について検討する必要があると思われた。さらに、CD133については、染色した症例すべてについて発現レベルが低かったが、この結果に関しては抗体の性能も含め再検討する必要があると思われた。また、その他の膜蛋白質としては、NLRRおよびXCEについて調べたが、それらの陽性細胞ががん幹細胞であるかどうかについては今後検討する必要がある。
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Research Products
(6 results)