2005 Fiscal Year Annual Research Report
リンケージ解析による臓器特異的自己免疫疾患関連遺伝子の検索と診断法の確立
Project/Area Number |
17390490
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美島 健二 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (50275343)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50367306)
山田 耕一 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60367307)
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
坪田 一男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40163878)
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Keywords | 自己免疫疾患 / シェーグレン症候群 / リンケージ解析 / NFS / sldマウス |
Research Abstract |
NFS/sldマウスでは生後三日目に胸腺を摘出することによりヒトシェーグレン症候群様の病態が生じ、この形質はNFS/sldマウスの舌下腺分化異常と関連していることが知られている。この変異遺伝形質が常染色体劣性遺伝で継代され、ホモ接合性の疾患遺伝子を有するマウスのみが変異表現型を示すことから、NFS/sldマウスと正常マウスの交配により産まれたマウス(F_1)とNFS/sldマウスを再度交配(backcross)することにより産まれたマウス(N_2)は効率よく変異表現型を呈することが想定される。本研究ではこの交配方法を用い得られたN_2マウスを解析対象としてsimple sequence length polymorphism(SSLP)法により、その遺伝子地図を作製し変異表現型と関連したNFS/sldマウス由来の遺伝子をリンケージ解析により明らかにする。当該年度は正常マウスとしてC57BL/6マウスを用い、このマウスをNFS/sldマウスと交配しF_1マウスを作出した。さらにF_1マウス同士を交配しF_2およびbackcrossにより得られたN_2マウスで変異表現型(舌下腺粘液細胞分化異常の有無により評価)の出現率を比較した。この結果よりC57BL/6マウスとNFS/sldマウスの交配により得られたF_1マウスの♀とNFS/sldマウスの♂を交配して得られたN_2マウスにおいて舌下腺分化異常の出現頻度が50%と最も高く認められたので以後のリンケージ解析にはこの組み合わせにより生まれたN_2マウスを用い、現在までに69匹のN_2マウスの作出が完了している。さらに、この結果よりNFS/sldマウスにおける舌下腺の分化異常は、これまでの報告と一致して常染色体劣性遺伝で伝搬されることが示され、疾患関連遺伝子の同定のためN_2マウスの脾臓から抽出したゲノムDNAを鋳型としてPCR-based, DNA pooling methodsを応用することにより、より簡便に、また迅速に疾患原因遺伝子の位置している染色体の同定を行っている。本解析にはMit markerの選択が必要で、すでに各染色体当たり3カ所(約20cM間隔)計57カ所のMit marker部位を選択した。加えてPCRにより、これらの領域を増幅するため必要な特異的プライマーの合成を行いNFS/sldマウスおよびC57BL/6マウスにおいて、その増幅長に差があるか否かを検証している。この結果、差が認められたマーカー部位を以後の解析に利用する。
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