2006 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜免疫におけるASK1-p38MAPキナーゼ経路を介した自然免疫制御機構の解析
Project/Area Number |
17390492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 弘資 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (10313230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 秀憲 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (00242206)
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Keywords | シグナル伝達 / MAPキナーゼ / ストレス / 自然免疫 |
Research Abstract |
我々は,ASK1がp38MAPキナーゼを介して自然免疫応答において非常に重要な役割を担っていることを明らかにしていることから,今回,ASK1-p38経路の制御分子の探索と機能解析を行った。ASK1をbaitとして行った酵母two-hybridスクリーニングによって,ASK1と非常に相同性の高いセリン/スレオニンキナーゼをコードする遺伝子を同定し,ASK2と命名した。ASK2を特異的に認識するモノクローナル抗体を作製し,様々な培養細胞における発現を検討したところ,ASK1ノックアウトマウス(KO)由来の各種細胞でASK2の発現が著しく減少していることが明らかとなった。ASK1-KO細胞におけるASK2の発現はプロテアソーム阻害剤投与によって回復することなどから,ASK2はASK1と細胞内で複合体を形成することで,プロテアソームによる分解から免れて安定して存在することが強く示唆された。さらにASK2は,ASK1との複合体を形成した状態で,初めてMAP3Kとしてのキナーゼ活性を示し,過酸化水素などの酸化ストレスに対する反応性も示すようになることも明らかとなった。一方ASK2は,ASK1のキナーゼ領域内の特定のスレオニン残基をリン酸化することでASK1を活性化することも分かり,両者が互いの活性を上昇させる機構が存在することが示唆された。実際,内在性ASK2のノックダウン実験によって,ASK2がASK1とともに酸化ストレスによる下流MAPキナーゼ経路の活性化に必要な分子であることも確認された。ASK2は,マウスの皮膚や腸管などの比較的ターンオーバーの盛んな上皮組織に多く発現している傾向があることから,粘膜免疫におけるASK1-p38経路の機能を制御する分子として重要な役割を担っているものと考えられる。
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Research Products
(10 results)