2006 Fiscal Year Annual Research Report
感染歯髄の修復-LSTR 3Mix-MP Save Pulp療法の基礎的検討-
Project/Area Number |
17390500
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星野 悦郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90124619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
子田 晃一 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (90018755)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
鈴木 誠 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50107778)
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Keywords | 歯髄炎治療 / 病巣無菌化組織修復療法 / LSTR / 3Mix-MP療法 / Save Pulp / 歯内治療 / Endodontics |
Research Abstract |
従来、外科的処置である抜髄が適応とされていた自発痛の見られる歯髄炎も、我々の研究グループが確立した病巣無菌化組織修復(Lesion Sterilization and Tissue Repair : LSTR)3Mix-MP療法によって治癒・保存できるが、その病理組織変化は、治癒歯を抜去して調べることが倫理的にできないため、詳細な検討がなされていない。本研究では、本療法によって治療した歯髄の治療前の症状と治療後の歯髄組織の変化を関連づけることによって「歯髄を救うSave Pulp療法の適応範囲の拡大」を目的とし、下記の成果を得た。 1.臨床試料の収集:抜歯が適当である第3大臼歯を対象としたが、萌出位置の関係から歯髄炎治療はそう容易でないこと、また、LSTR 3Mix-MPSave Pulp療法の成功例を試料に含める必要があるため、本療法に熟練した研究協力者の増加を図るため、国内外での臨床学術の教授を行った。 2.病態検討:19例について、治療内容や、う窩と歯髄との位置関係、露髄の場所や大きさ等をマイクロCT技術を用いて記録後、6-8ヶ月程度かかる脱灰の処置をし、病理組織学的な検討を行った。露髄の履歴の有無、自発痛の程度、あるいはその他の臨床症状に特に歯髄組織の病理的組織破壊の程度は関連無く、露髄部直下を除いて炎症の程度は中程度が最も多く、比較的軽い事が示された。また、象牙芽細胞層は消失、乱れ、空胞化など見られたもののその変化は限局的であった。この結果は、自発痛を伴う歯髄炎でも、受診の時点での組織障害の程度は低く、3Mix-MP療法によって臨床的に組織保存がなされている現状とあっていた。 3.組織修復の検討:対象となる治療をしていない歯髄炎症例12点をマイクロCT検査後、脱灰処置を施している。また。最長5年半の長期経過例は現在2例であり、さらに多くの臨床試料が必要なため、研究協力を求める。
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