2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390503
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岡野 友宏 昭和大学, 歯学部, 教授 (20124688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 康雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30119250)
荒木 和之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50184271)
佐藤 健児 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50130670)
加藤 二久 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (70095107)
佐々木 武仁 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (90013896)
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Keywords | 歯学 / 放射線 / 歯科X線装置 / 品質保証計画 / 診断参考レベル |
Research Abstract |
歯科X線撮影に対する診断参考レベル(DRL)の初期値を本学歯科病院での撮影について求めること、およびコーンビームCT(CBCT)およびCTにおける吸収線量および実効線量を測定するとともに、線量低減の可能性を求めることとした。昭和大学歯科病院で行われた約26,000件の歯科X線検査のうちで(2005年度撮影分)、口内法撮影、パノラマ撮影および頭部規格撮影の技術的パラメータを照射記録よりそれぞれ1,482、1,894、469例抽出し、口内法撮影ではコーン先端における患者入射線量(patient entrance dose, PED)、パノラマ撮影では線量とビーム幅の積(dose-width product, DWP)、および頭部規格撮影では入射表面の空気カーマ(entrance surface air kerma, ESAK)を求めた。これらの線量は撮影装置ごとに日本品質保証機構で校正された適切な電離箱式プローブ(10X5-6M,10X5-6,10X5-10.3CT)と線量計(Radcal 9015)、を用い技術的パラメータに応じて実測し、患者の年齢と性別に分け照射記録のデータより算定した。さらにポータブル線量計としてOSL線量計(長瀬ランダウア環境用luxel badge)、TLD(長瀬ランダウアLiF-100)とX線フィルム(Kodak XV-2)を電離箱式プローブと同じ位置で照射することによってこれらのポータブル線量計を用いたDRL線量測定の正確さを調べた。その結果、全患者の平均線量と標準偏差は口内法撮影では両部位で差異はなくPEDが1.8±0.7mGy、パノラマ撮影ではDWPが43±4mGymm、頭部規格撮影ではESAKが0.77±0.29mGyであった。低年齢郡ではこれらの線量は年齢とともに増加傾向にあり、歯科X線検査における患者線量の管理には成人とは異なる初期値が小児には必要であることを示唆した。これらの平均値の測定でポータブル線量計を利用したときの精度は電離測定と比較して±5%以内であった。一方、CBCTおよびCTの線量測定ではファントムとしてRANDO、線量計としてガラス線量を用い、ICRP1990年勧告で指定された臓器と、頭頸部の主要な臓器の吸収線量を求め、そこから実効線量を算出した。その結果、撮影条件や装置の種類により装置間で大きな相違を生じ、インプラントの術前X線検査を想定した撮影条件における実効線量は3D-Accuitomoで11μSv、CB MercuRayで454μSv、MDCT(HiSpeed)で598μSvであった。MDCTによる撮影については実習・研究用献体の頭部を用いた実験で半減ないしそれ以上の線量低減が図れることが判明した。なお、以上の線量測定結果についてはすでに米国歯科放射線学会および韓国歯科放射線学会で報告し、さらに資料を整えて欧州歯科放射線学会で発表予定である。なお、論文は改編中である。
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