2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用有機材料に対する機能を有する新規細胞生物学的評価法の開発
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17390512
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本郷 敏雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60142444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 辰夫 国立国際医療センター(研究所), 細胞組織再生医学研究部, 室長 (70228534)
喜多 和子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80302545)
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Keywords | 歯科用レジンモノマー / HPLC / マウス胚性幹細胞 / 繊毛上皮細胞 / 気管形成 / ヒト培養細胞 / エストロゲン受容体 / ストレスタンパク質 |
Research Abstract |
本研究は歯科用有機材料由来の化学物質並び唾液に浸漬したそれら硬化体由来の化学物質を同定・定量する簡便な分析法の開発、マウス胚性幹細胞から、培養系で気管上皮性の繊毛細胞の分化誘導系の開発、歯科用有機材料によるヒト細胞でのストレスタンパク質(SP)の量、質と局在変化について検討した。その結果、唾液や血清により歯科用モノマーは分解されるが、モノマーによりその分解程度が異なっていた。また、重合開始剤である過酸化ベンゾイルは溶解させる溶媒により分解程度が異なり、メタノールで顕著に分解された。これらのHPLCを用いた簡便な分析法を確立した。培養系で気管上皮性の繊毛細胞の分化誘導系では繊毛細胞は、生体の気管上皮に類似しており、繊毛特異的なマーカータンパク質であるHFH-4(Foxj-1)の発現並びに気管特異的タンパク質であるTTF-1やSPCなども発現していた。さらに、繊毛上皮細胞の分化では、血清により繊毛細胞の分化を阻害することが明らかとなった。培養ヒト細胞におけるSPの発現変動を基礎として、bisphenol A(BPA)によるSPであるHSP27、HSP72、HSP90、GRP74、GRP94の発現量変動をエストロゲン受容体(ER)を発現していない培養ヒト細胞(親株)に、ERα cDNAを導入し、その発現を高めたERα高発現細胞を樹立した。ERα高発現細胞では、β-estradiol、BPAともにSPの発現量を増加させたが、その詳細は異なっていた。親株では、両薬剤ともにSP発現促進作用を示さず、逆にBPAでは1mM以上で48時間処理後、HSP27、GRP74、GRP94発現量が約50%に減少した。以上のことから、BPAは、ERα高発現細胞では、レセプターを介してSP発現を促進させるエストロゲン様作用を示す一方、ERαを発現していない細胞では、SP発現量減少作用を示す可能性が示された。
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Research Products
(6 results)