2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390513
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 英和 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (90175430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (10272600)
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00182733)
田中 義浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20361719)
吉岡 隆知 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60323698)
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 技術職員 (20242216)
|
Keywords | γ線 / 放射線治療 / 象牙質 / 引張強さ / 接着強さ / SDS-PAGE / 根管封鎖性 |
Research Abstract |
本研究の目的は「放射線治療により歯質のどの性質がどの程度変化するのか.その変化は何年後に生じるのか?」を明らかにすることである.実験には比較的均質な牛歯を用いて検討した. ガンマ線の照射量は口腔領域のがん治療を想定した60Gy照射と放射線耐性菌を滅菌できる30k Gyとし,歯の引張強さ,被削性,接着性,根管治療時の問題点,象牙質タンパクの変性を検討していた. 照射歯をクロラミンTならびにチモール水溶液に1年間保管してから引張強さと被削性を検討しところ,いずれも照射群と非照射群とには有意差が認められず,保管による引張強さの減少と被削性の増大が認められた.3kGyのγ線照射では,象牙質の引張強さには有意差が認められなかったが,60kGyのγ線照射では,象牙質の引張強さが有意に減少し,SDSpageではコラーゲンのバンドの消失が確認され,照射線量が多いと象牙質のタンパクが変性し,物性の劣化が生じるものの,癌治療で用いる程度の照射では物性は変化しないことが示唆された. また,60Gyのγ線照射では,どの接着システムを用いたレジン修復物の窩壁適合性にも認められなかった。線管治療における効果では,治療用ガンマ線照射により、根管洗浄効果は阻害されないが、高線量のガンマ線により、根管洗浄の効果は高くなることが示唆された。また、治療用ガンマ線照射により根管封鎖性は阻害されないことが明かとなった。 上記の成果の一部を歯科保存学会,IADR,日本歯科理工学会,国際材料会議2007等で発表し,現在論文投稿中である.
|
Research Products
(7 results)